ことばの学校 事務局の須藤です。
少し以前になるのですが、ネット上で、小2国語の問題が「超」難しい、と話題になっていました。
ご存知の方いらっしゃいますか?
実際に学校で出題された、こんな問題です。
問 つかい方が正しいほうを○でかこみましょう。
1.星が「きらきら/キラキラ」している。
2.犬が「わんわん/ワンワン」ほえた。
3.うさぎが「ぴょん/ピョン」とはねた。
この問題に対して、「難しすぎる」「正解があるのか!?」「どちらでもよい気がする!」「できなくてもなんの問題もない」というコメントが多数寄せられていました。
しかし、この問題が「小2」の学習カリキュラムの確認テストであることを考えれば、難しいはずはないですよね?
写真の下のほうにちらっとヒントが書かれています。
これは、「カタカナ」で書くことばの確認なのです。
日本語の表記の規則では、以下に分類されるものは原則「カタカナ」で表記します。
1 外国から来たもの
(中国など漢字文化圏以外)
2 外国の国(土地)や人の名前
3 いろいろなものの音を表すことば
(「擬音語」といいます)
4 鳥やけものの鳴き声
(これも「擬音語」)
※ ちなみに、音が出ない=単に様子を表すことばは「擬態語」と言います。
言い換えれば、実際に「音」が出るものは「擬音語」=カタカナで書く
音が出ないものは「擬態語」=ひらがなで書く、ということですね。
つまり、これを上記の問題に当てはめれば、2.だけ音が出るので
「カタカナ」で書き、1.3.は「きらきら」「ぴょん」という音がするわけではないので、「ひらがな」で書く、ということなのです。
これ、普段の生活で、なにも困らないし、できなくてもなんら問題ないように思われがちですが、このあたりに現状の国語学習の問題が表れている気がします。
ひらがな、カタカナは表音文字です。
単体で意味を表すことはできません。
しかし、上述のように擬態語」はひらがな、「擬音語」はカタカナという使い分けをしっかりしていれば、見た目だけで瞬間に「擬音」「擬態」のどちらを表しているのかを判断することができるのです。
※「アメリカ」(国名)を「あめりか」、「ディズニー」(人名)を「でぃずにい」とは決して書かないのと同様です。
とりわけ外国人が日本語を学習するにあたって、このような規則は論理的に学ぶのに好都合です。
文字は論理記号であって、時間・空間に制限なく、情報を伝達することができる道具です。
であれば、共通のルールに則って、正しく情報を伝えるには正確に表記することが重要なのは言うまでもありませんね。
決して「知らなくても困らないこと」「どうでもいいこと」ではないのです。