中学入試問題 学校別分析

はじめに

神奈川県内主要中学校(一部、東京都内)の入試問題分析となります。
学校別・科目別に「傾向」と「これからの学習作戦」を掲載しています。
これからの学びの羅針盤にしていただければと思います。

国大Qゼミ 中学受験コース 教務課
更新日:2024年3月6日

目 次

栄光学園中学校

国語
< 傾向 > 50分 70点満点

説明文・論説文から1題、小説・物語から1題、そして漢字の書き取りが出題されます。
受験生と同年代向けに書かれたと思われる作品が多く、外国作品も目立ちます。
設問形式は字数指定なしの自由記述に重点が置かれています。ただし、100字をこえるような具体的な説明を求めているものはなく、結果的に40字から60字程度で簡潔にまとめることになります。


<これからの学習作戦>

  1. 思考の整理能力
    文章中の言葉を使ってわかりやすく説明しようと思えば、解答らんのスペースでは全く足りません。試行錯誤を積み重ね、どこを活かすかとともにどこを捨てるか取捨選択する脳内整理作業が必要になります。
  2. 言い換え力
    どこを捨ててどこを活かすかがわかっても、まだ書くことが多すぎてスペースに収まらないケースが多々あります。そこで必要となるのが言い換え力です。無駄な表現をそぎ落として自分の言葉でまとめ直すトレーニングの積み重ねが合格への近道となります。
  3. 豊富な語彙(ごい)力
    自分の言葉に置き換える力の土台となるのは豊富な語彙(自分が使いこなせる言葉の数)です。読書が好きであればもちろん大きな武器となります。ただし、文章読解問題の学習中に全く意味のわからない語句に当たった時、辞書に頼る前に前後の文脈から語句の意味を予測する心がけをもつことで確実に語彙を増やすことができます。
算数
< 傾向 > 60分 70点満点

ここ数年は大問4題構成。基本的な解法を問う問題と,手順(ルール)通りに解き進めていき「具体⇒抽象」と思考を広げていく問題が多く出題されています。日頃、学習したことをもとにして、試行しながら真理にせまっていく姿勢が問われているのでしょう。途中式の記入を要求する問題が例年1題出題されます。


<これからの学習作戦>

  1. まずは手を動かしてみること
    栄光学園の問題は具体的な題材(素材)をもとにして、手を動かしてみるところからスタートします。そこで、問題の題意をつかむことになります。そして設問を進めるにつれて、具体から抽象(一般化)に話題が転換されていきます。この転換が至極自然に行われる問題設定になっているのが秀逸です。
    そこで日頃、算数の問題と対峙していくとき、自らの方針を立て試行していく中で方向修正をはかったり、じっくりと考えながら論理を展開していく習慣が大切です。その第一歩として解説の考えを鵜呑みにせず,自分の論理にこだわる姿勢も大切になります。
  2. 論理的に検証する
    栄光学園の問題は、試行錯誤するチカラが要求されます。普段の学習においても、〇や×という結果だけにとらわれることなく、論理を表現する習慣をつけておきましょう。解き終えたら、何がポイントになっているのか論証することも忘れずに…。
  3. 可能性をすぐに捨てない
    「あてはまるものをすべて答えなさい」
    栄光学園は、このように「すべて」解答させる設問設定が数多く出題されます。これは、答えの一部だけでも正解して欲しいという解釈ではなく、問題の全体像(背景)をある程度つかんだ上で、条件に見合わないものを少しずつ消去していくような思考過程を要求しています。安易に可能性を捨ててしまうような思考からの脱却が必要になるでしょう。
社会
< 傾向 > 40分 50点満点

例年1つのテーマによる地理・歴史関連問題が出題されます。カラーで印刷された資料をもとに、そこからわかることを推察させる問題です。記述は8題から11題ほど,用語を問う問題は10題前後です。また、グラフの数字をもとに計算問題が出題されることもあります。


<これからの学習作戦>

思考する上で土台となる知識が必要であることは言うまでもありません。ただし,曖昧さをともなった知識は意味を為しません。知識同士を頭の中で関連づけた上で,状況に応じて引き出すことができてはじめて活用できるようになります。
地理・歴史の知識習得は小6夏期までに終わらせ、9月以降は資料分析問題などを中心に演習し、そこからわかることを自分のことばでまとめられるような「実践的」な問題演習を行いましょう。日頃の学習で身につけた知識を,思考力問題を経験しながら再整理していきましょう。与えられた問題から自分なりにまとめて記述するチカラは,生活の中での「気付き」や「疑問」を他者と話題にしてみるなど,自分の考えを表現する場を作ることも上達へのカギとなります。

理科
< 傾向 > 40分 50点満点

1つのテーマに対して実験や観察の過程を通して出題されるスタイルで、全体的に実験レポートに近い出題形式になっています。グラフの形や表の数値が表す意味を見抜き、それを応用できる力を持った生徒に来てほしいという学校からのメッセージと捉えることができます。
例年、記述問題だけではなく、グラフを作成する問題が出題されます。今年はグラフを作成する問題の出題はありませんでしたが、出題される場合には問題文の中にグラフの書き方が指示されていますので、その指示を見落とさないように取り組みましょう。


<これからの学習作戦>

他校に類をみない、個性的な出題形式に慣れるための過去問演習が最も有効な対策になります。単に難易度が高い問題を演習するだけではこの学校の志望校対策につながりません。実験・観察データから分かることを明確にして、その考察から一定の結論を導き出す力を要します。日頃から身の回りの事象に興味・関心を持ち、ふと感じる疑問点を書き留めて、それについて自分の中で分析したり、調べてみたりする習慣を身につけましょう。また、記述問題の出題が多いため、過不足なく簡潔に解答をまとめる練習も意識して行いましょう。
過去問演習を通してグラフを書く練習をしておくことも必須です。

聖光学院中学校

国語

< 傾向 > 60分 150点満点

説明文・論説文から1題、小説・物語から1題、そして漢字の書き取りと語句の意味・用法が出題されます。文章は2題で8000字から10000字程度あります。ほかの学校よりも制限時間は長いのですが、のんびりと読んでいる時間はありません。
設問形式は60字から80字程度の記述問題と選択問題に重点が置かれています。ただし、しぼりづらい選択問題が多く正答を導き出すのにかなりの時間を費やします。


<これからの学習作戦>

  1. 長文の読解力とともに選択肢の読解力が要求される
    聖光学院の選択問題は4択ではなく5拓(5つから1つを選ぶ)で、しかも一つ一つの選択肢の説明が100字程度もあるということがめずらしくありません。選択肢の内容をじっくり考えていたのでは時間切れになってしまいます。また、5つある選択肢をなんとなく選んでも正解率は20%です。
  2. 事前準備は制限時間を決めた速読学習
    説明文・論説文であれば要点と細部の読み分けに関して、小説・物語であれば主人公を中心とした心情に関しての出題が目立ちます。これらのことに注目しながら文章を読み進める意識をもつことが肝要です。ただし、制限時間を決めて集中力を養わなくてはなりません。
  3. テキストの解説を「読み込む」習慣づけ
    集中力を高めて読み進めることができれば、5つある選択肢のうちの2つか3つに絞ることができます。そこで重要なのは、テキストの解説を活用することです。絞った選択肢の中から選んだものが間違えていたら、どこに誤りがあったのかを理解できるまで解説を読み込んでください。文章を読み込む→選択肢を読み込む→解説を読み込む、このアプローチこそ合格の秘訣です。
算数

< 傾向 > 60分 150点満点

聖光学院の入試問題は、公式や解法をただ単にあてはめることだけを考えていては歯が立ちません。それぞれの解法についての本質的な理解が求められることはもちろんですが、解答への糸口をつかむために丁寧に書き出して調べたり、図やグラフなどを使って問題を視覚化して考える姿勢が求められます。一見しただけでは解答への道筋が見えなかったとしても、実際に手を動かしているうちにその道筋が少しずつ見えてくる、そのような問題の出題が多いことが聖光学院の入試問題の特徴だと言えます。


<これからの学習作戦>

  1. 問題設定を確認する
    聖光学院では、問題文で指示された通りに作業を行い、その作業を行いながら解き進めていくタイプの問題が出題されることがあります。
    小問(1)は、題意を正確に読み取っているかを問う場合が多いです。この問題を通して、作業手順やルールを把握することになります。
  2. 問題の背景をとらえる
    小問(2)ではさらに条件が加わり、深く考えていくような設問設定となります。例えば、可能性のある範囲を聞かれたり、試行しながら一般化するチカラが問われたりします。(3)以降を解く準備となる設問にもなります。条件を満たすものと満たさないものとの境界線を意識しながら、問題の背景を理解する必要があります。
    聖光学院をはじめとする難関校では、このような「際(きわ)」を意識する問題が頻出です。
  3. 思考耐久性と解法の効率化
    一見して糸口が見つからない問題であっても、他の何か(先生や解説など)に頼らずじっくりと考え続ける姿勢が大切でしょう。ねばり強く考えた分だけ、その苦労は覚えているものです。
    また言うまでもなく、答えさえ正解すればそれで良いという意識を持たないことです。知っている解法であっても、自分の中での違和感があれば、いざという時にその解法を引き出せないことが多々あります。納得がいくまで考え続けることこそ、真の学力アップに向けた最短の行動ですし、聖光の算数が求めるチカラです。
社会

< 傾向 > 40分 100点満点

出題数は30問前後、記述も5題前後出題され、問題の難易度は高いです。地理は分布図、歴史は全時代、公民は日本国憲法が毎年出題されます。そして現代社会に関する統計資料問題が例年出題され、問題比重も他の問題より高く、高度な分析力および思考力が試されます。


<これからの学習作戦>

地理・歴史・公民の知識習得はもちろん、本やマスメディアなどから得られる知識も幅広く身につける姿勢が必要です。そのため、小6夏期までに知識定着をしっかり行い、それ以降は資料分析「思考型」問題の演習を数こなし、深い推察力や自分の言葉で表現できる記述力を磨いていきましょう。特に記述は出題量も増えたので、過去問演習の際には時間も考慮して練習していきましょう。

理科

< 傾向 > 40分 100点満点

各分野がまんべんなく出題されます。語句を答えさせる問題はありますが、因果を説明するような記述問題の出題は見られません。過去に「植物分野で水の通り道を塗る」等の図が回答になる問題の出題があった年度もありました。
計算問題は複雑なものが出題され、当てはめるだけの計算では得点が難しいです。
中学受験生が学習する知識だけでは解けない問題も多く、基礎知識を前提に類推させたり、さらに思考が必要な問題が出題されるため、難易度は高いと言えます。


<これからの学習作戦>

記述問題はもちろんのこと選択問題においても,覚えた知識の出力だけでは解けない問題が多いです。そのため、知識の定着は早いタイミングで完成させ、より深く学ぶ姿勢と時間が必要になってきます。知識を獲得することだけに終始せず、事象の法則性や因果関係に注意を払いながら学習することが大切です。
初見となる知識の問題であっても、与えられた条件から推測し導き出すことを訓練しておく必要があります。習う知識だけでなく、周辺の関連知識まで収集するような主体的な勉強姿勢が肝要です。
過去問をじっくりと取り組みながら、解答だけでなく答えに至る経緯まで確認する作業を繰り返し、思考のトレーニングを積み重ねておきましょう。
設問数も多く、解答を導くのに思考や計算が必要となる問題も多いため、テキパキとすばやく情報を処理していく必要もあります。日頃の学習でも常に時間を意識して取り組みましょう。全体的に思考力を問う問題が多く、思考のスタミナや粘り強い取り組みが重要です。

浅野中学校

国語

< 傾向 > 50分 120点満点

説明文・論説文・随筆から1題、小説・物語から1題、そして漢字の書き取りが出題されます。文章は2題で10000字程度あります。くり返し読む時間はありません。
設問形式は40字から80字程度の記述問題と選択問題に重点が置かれています。


<これからの学習作戦>

  1. 記述の解答パターンを見分ける
    浅野の記述問題に「文章中の言葉を使って答えなさい」という問いかけはとんどありません。
    そして結果的には、文章中の言葉をじゅうぶんに活用できる場合と文章中の表現を自分の言葉で短くまとめなければならない場合の2つに分けられます。どちらのパターンで答えるべきか判断しなければなりません。
  2. 重要語句を見のがさない
    文章中の言葉が使える場合には、絶対に必要な「一語」があるかないかで評価点が大きく変わります。日ごろのテキスト学習で着目するべき言葉(文章中にくり返し出てくる言葉など)の意識づけが必要です。
  3. 字数制限の問いを活用する
    文章中の表現をそのまま使ったら字数が多すぎて解答らんからはみ出してしまうというケースでは、自分の言葉で短く置き換える必要があります。80字以内の問いを演習するときには60字以内の答え方や40字以内の答え方も考えてみるという学習が効果的です。
算数

< 傾向 > 50分 120点満点

例年大問5題構成で、考え方の記述や理由の説明を問われる問題が1問含まれています。様々な分野を織り交ぜながら幅広い単元から出題されることが特徴で、「算数に真正面から取り組んできた子」であれば、どこかで経験済みの問題が多く出題されます。それらの問題を、確実に正解していくための堅牢な基礎学力が必要となります。
また、作業や作図などが必要な問題が毎年大問で1題出題されており、「下書き用」や「作図用」など、受験生が問題に取り組みやすいようなスペースを設けていることも特徴です。


<これからの学習作戦>

  1. 題意をつかむ
    作業を必要とする問題については、まずどのようなルールで作業を行うのかを確実に把握する必要があります。ここを誤るといくら丁寧に作業を行っても正解にはたどり着きません。
    日頃の学習においても、例え長い問題文であったとしても正確に読み取る習慣を身に着けておくことが大切です。
  2. 考えやすい問題設定
    浅野の算数は、全体的に問題設定が受験生にとって考えやすいように配慮されています。特別な発想力が必要とされるような問題の出題は少なく、日頃の学習成果や学習姿勢がそのままテストの結果に反映されやすいような作問になっています。
  3. 誘導の流れをつかむ
    例えば、(1)~(4)の小問が並ぶ設問において、(1)から(3)を解くことで考え方の道筋が分かり、そこから(4)につながっていくようなケースが多く見受けられます。題意をしっかりと把握したうえで、その流れにしたがって解き進めることで解答までたどり着くことができるような問題設定になっています。
    これまでに見たこともないようなタイプの問題、もしくは一見しただけでは解答への道筋がなかなか見えてこないような問題が出題される年もあります。そのような問題が出題された場合でも、設問の流れをじっくりと眺め、出題者の意図を汲み取ることによって解答へとたどり着くことができます。このようなことを意識しながら、日頃の学習を進めてみましょう。
社会

< 傾向 > 40分 80点満点

記号選択問題の出題が多く,最後に長文記述(100~120字以内)があります。いずれの問題も知識の深掘りが求められるため,難易度は高いと言えます。公民が日本国憲法からの出題は多いですが、地理・歴史ともに決まった傾向はなく、幅広い知識の出題が見られます。


<これからの学習作戦>

地理・歴史・公民の知識習得、そして100字記述の対策をしっかり行いましょう。特に知識は事柄そのものを覚えるだけでなく、その事柄の背景に対しての深い理解が求められるので、今までのテキストをもう一度読み直し、そこで得た新たな発見をノートにまとめるなどの努力をしていきましょう。選択問題は選択するのに難しい問題が多いですが、“ことの本質”を考え、問いにふさわしい答えを選択することを心がけましょう。また、資料読み取り問題にも多く触れ、推察力や思考力を磨いていきましょう。

理科

< 傾向 > 40分 80点満点

4分野からそれぞれ大問1題が出題されます。細かな知識や計算問題が出題されることが特徴です。また、実験・観察をもとにしたデータの読み取りが必要な問題も頻出です。
化学分野においては、水溶液などの化学反応に関する計算問題の出題があり、過不足なく反応する量を求めたり、反応の余りの物質を反応させるなど,複雑なものが多く、浅野合格を目指す上で攻略が必須です。


<これからの学習作戦>

図や表、グラフをもとにした設問が多く出題されるため、学校で行われる実験・観察に対しては積極的に取り組みましょう。計算問題への対策として、まず基本的な解法を理解し、その上で過去問題の化学反応に関する計算問題だけを複数年解いて、出題傾向に慣れておく学習方法が効果的です。また、物理分野においても力学・電気・音など様々な単元から計算問題が出題されているため、テキストの例題に取り上げられているような典型的な問題については、解法をただ単に覚えるのではなく、どのような問われ方をしても対応できるように、きちんと理解を深めておく必要があります。
リード文や設問文を読み取り、そこに書かれていることから解答の根拠を見つけ出すタイプの問題も出題されます。自分が持っている知識だけを頼るのではなく、日頃から問題文をしっかり読んだ上で解答するように意識しましょう。

サレジオ学院中学校

国語

< 傾向 > 50分 100点満点

説明文・論説文から1題、小説・物語から1題、そして、漢字の読み書きの大問3題構成での出題です。読解問題は、選択肢問題と記述問題中心に作問され、小説は受験生と近い年齢の主人公が登場する作品が多く選ばれています。


<これからの学習作戦>

  1. 漢字で得点する
    やや難解な読み書きが含まれています。問題文の文意から漢字を選び出せるように、漢字の持つ意味を意識しながら漢字練習をしていくとよいでしょう。また、熟字訓などの特殊な読み方もしっかりと身につけておくべきです。
  2. 選ぶ力
    選択問題が多いため、確実に選び得点につなげなければなりません。文章の展開をつかみ、本文に書いてあるかないかをしっかりと見極め、消去していく習慣を普段の学習から定着させていきましょう。
  3. 書く力
    筆者の意図を把握できているか、心情を正確に理解できているかを問われる記述です。段落の要点や文章の要旨、主人公の心情変化やあらすじをまとめる練習をしていくとよいでしょう。
    説明的文章では、その年に話題になった事がらや言葉を取り上げた文章を採用し、作問されていることが多いですから、社会に目を向け、自分でもそのことについて考えるみることも大切です。
算数

< 傾向 > 50分 100点満点

50分で大問数5題、小問数は約20題程度出題されます。難易度はそれほど高くはありませんが、問題を解く際のスピードと正確さは高い水準が要求されます。前半の典型的な問題で確実に得点を積み重ね、後半の問題に十分な時間を確保できると合格点に達するでしょう。
今年も資料の読み取りなどの新課程対応の問題は見られませんでしたが、また復活するかもしれませんので、注意は必要です。今年は、長い文章を読み解くよりも考えて解く問題が多く出題されました。


<これからの学習作戦>

  1. 確実な計算力と記述力
    後半の問題は、比較的長いリード文が出題されることが多いです。そこに書かれている内容が理解できれば、解法自体は難易度が高いわけではありません。複雑な計算をこなす場面もあるため、粘り強く処理する練習を積みましょう。
    また、途中式を書くという形式も頻出です。日頃からのノートの取り方、解答スペースを考慮した記述表現のトレーニングも大切です。
  2. 基本的な解法の理解
    高度な思考というよりは、「学習したことが本当に身についているか(=仕組みが分かっているか)」が問われる問題が多く出題されます。典型問題の原理をしっかりと理解し、確実に正解に導くための計算力が必要です。
  3. 対話文形式の問題に慣れる
    近年頻出傾向にある対話文形式の問題に慣れておく必要はあります。全体を読み、どんなことが表現されているのかを読み取るチカラを要します。そして、普段学んでいる勉強に対して常に「ギモン」を持つことが大切です。どのような対話文なのかは6年後半から始める過去問演習などで解き方を身につけましょう。
社会

< 傾向 > 40分 75点満点

文章が1つ出されて、それについて、地理・歴史・公民が、記述題ふくめ40~50題の出題があります。1題あたりの配点は1点または2点。大学入試共通テストを意識した出題らしく、地図や統計資料を読みとって分析する問題が頻出です。また、キリスト教などの宗教にまつわる文化や習慣についての問題も出題されています。記述問題は、理由や時代的背景が問われる問題だけではなく、「自分ならどうするか」という観点からの自由記述問題も出題されています。今年は、地震など災害が起きた時の避難所の掲示板の例をあげ、その表現の不十分な部分を、掲示板のどの部分が、どのような人々にとって不十分かを指摘させる問題が出題されています。関東大震災(1923年)100年後にあたる年であることにちなんで出題されたものでしょう。


<これからの学習作戦>

まず、小6夏までに、一問一答式の問題集を活用して、地理・歴史の基本知識を固めましょう。その際、用語だけでなく、その用語の背景や理由もしっかりつかむことが大切です。その上で、小6夏以降、地図や資料統計に関する問題を数多く経験しておくことが必要です。素材としては、過去問や市販されている資料統計問題集や記述問題が最適です。記述問題集に取り組むときは、ノートに書いて演習するのもいいが、頭の中で答えを作り、模範解答を見て、自分が思いつかなかった内容にマーカーを引くという作業も有効です。
また,日常生活の中で、学んだ知識を当てはめたり、既存の知識に対する疑問を持つことを習慣化させましょう。たとえば、日常のニュースで、日本銀行の低金利政策を見かけた際,
「不況から経済を立て直すためには,国民がお金を持てるように通貨量を増やす、つまり金利を下げるのが日本銀行の金融政策である」
→「では、江戸時代に徳川綱吉や田沼意次が行った貨幣通貨量を増やす政策は、この財政政策と同じではないのか?」
→「世界恐慌のとき日本経済を立て直すために、日本は中国への侵略を決意したが、通貨量を増やす金融政策をもっと推し進めて行ったら、日本は戦争を起こさなくてもよかったのではないか?」
と、発展的に考えるようになることが大切。「自分はこう考える」という視点を持てるようにしておくと良いです。

理科

< 傾向 > 40分 75点満点

大問4問。毎年、物理・化学・地学・生物がバランス良く出題されています。そして男子校の特徴ともいえる計算を絡めてくる出題があることも特徴と言えます。難易度が高い計算問題が出題されることもあれば、文章の読み取りを中心とした問題になることもあります。思考系の入試の風潮がある中でこのような問題は本校に限らず今後出題の可能性は高いと思われますので対策は必要です。ただし、知識問題も相応に出題されますから、得点源にできるようにしておきたいですね。


<これからの学習作戦>

  1. 基本用語をしっかり覚えましょう
  2. 物理と化学ではグラフや表を利用した計算ができるようにしておきましょう
    物理や化学は、グラフや表からデーターをしっかり読み取り、表からグラフが描けるようにしておきましょう。読み取ったデーターを元にした計算が必要となる問題もよく出題されます。
  3. 問題設定のリード文をしっかり読む練習をしておきましょう
    実験や観察を通して、何が言えるのか、何を考えさせたいのか、普段から、考えておく癖をつけておきましょう。実験は実際にやってみても良いですし、インターネットを利用して実験動画などを見ておくと理解が深まります。
  4. 物と地学ではSDGsの話題や近年起こった災害は特に注意をしておきましょう
    普段のニュースの中でも特にSDGsに対してはアンテナを張っておきましょう。また、時事問題としては自然災害や環境に関しての出題が多くなっています。知らない用語を調べたり、自分なりの意見をまとめる習慣をつけておくと、理科だけでなく社会でも役に立ちます。

逗子開成中学校

国語

< 傾向 > 50分 150点満点

例年,説明文・論説文・随筆から1題と小説・物語から1題の読解2題と、標準的な言語事項(漢字の読み書き15問と四字熟語・慣用表現など5問)からの出題です。説明文・論説文・随筆は内容の説明と筆者の考え、小説・物語は主に人物の様子と心情が出題されます。記述問題は、例年4~5題出題されていて、内容の説明や人物の心情や理由をまとめる問題になっています。


<これからの学習作戦>

  1. 知識
    150点満点中、40点程度は漢字と語句の知識問題になっています。日常の学習で十分に対応できる問題です。「漢字の読み書き」・「四字熟語」・「ことわざ・慣用句」などを中心に基本的な知識問題をまんべんなく取り組んでおくことが大切です。
  2. 読解
    内容を詳しく読み取ったり記述する設問が目立ちます。記述は50字前後でまとめる問題が出題されるため、日頃の学習から内容を簡潔にまとめることを意識して取り組んでおきましょう。
算数

< 傾向 > 50分 150点満点

難易度は例年通りでしたが、典型的な解法にとどまらない思考問題も出題されています。また、これまでにはない「対話形式」の出題もあり、近年の入試傾向に則した問題と言えます。
出題分野では、図形・数論分野が頻出です。


<これからの学習作戦>

  1. 「対話形式」問題
    登場人物の対話文を読みながら問題を解くというかたちです。対話形式の問題は
    ①流れに沿って解き進めていくこと
    ②キーワードをキャッチすること
    この2点が大切です。
  2. 線分図や面積図などを積極的に使った学習
    リード文が少し長くなっていたり、条件(ルール) が複雑な設問が出題されたりします。
    算数では、和や差に関係する話題では「線分図」、積や商に関係する話題では「面積図」を活用することが一般的です。問題文を読み、条件整理(情報整理)をするために、図を描き、視覚化することを意識しましょう。
  3. 図形・数論分野は相応なチカラが要求される
    図形(平面図形・立体図形)は、代表的な「求積」や「相似」の他に、「展開図」「最短距離」「回転体」「切断」など、細かな部分までチェックしておくと安心です。
    数論は、あるルールのもとで調べ上げていく「場合の数」が頻出です。樹形図などを活用して、ていねいに調査していく集中力・注意力が求められます。
    両分野ともに、過去問を演習する中で要求されているレベルを体感しておきましょう。
社会

< 傾向 > 40分 100点満点

1つの社会テーマに沿った出題という点では例年通りですが、今年は目立つような長文はなく、大問ごとに地理・歴史・公民に別れていて、すっきりした構成になっています。各設問の難易度は標準レベルのものが大半ですが、正誤の組み合わせで答える問題などもあるので、正確な知識が必要です。資料読み取り・思考系問題は各分野1題ずつ、記述は1~2行程度です。公民分野では、問題点を指摘し「あなたならどうする」を問う問題が2題出題されました。


<これからの学習作戦>

日ごろの学習の中で、標準的な知識を丁寧に身に着けていくことが大切です。そのうえで、それらの横のつながりを意識した学習,そして資料から読み取れることを自分のことばで記述する練習,自身の意見を文章で表現する練習をしていきましょう。また,問題量も多いので,過去問を活用して,分量と制限時間に慣れておくことも大切です。

理科

< 傾向 > 40分 100点満点

分野のかたよりがなく、基本問題が出題の中心になっています。ただ,大問の各設問は考えさせるものが多く、思考系の記述問題も含まれています。基本問題の演習にとどまらず、応用問題にも積極的に取り組むことが必要です。


<これからの学習作戦>

まずは基礎知識をしっかりと身に着けておく必要があります。特に化学・物理分野の計算問題は理科的な考え方が問われます。日頃の学習で途中の考え方を意識しながら,その仕組みを理解することを心がけましょう。

鎌倉学園中学校

国語

< 傾向 > 50分 100点満点

大問は6問。説明文・論説文から1題、小説・物語から1題、資料・統計から1題、そして漢字の書き取りのほかに語句の知識が2題出題されます。今年は資料・統計ではなく二つの文章を読み比べる問題が出題されました。小問は40問程度で、男子校のなかでも設問数の多い学校です。
出題形式は抜き出しと選択が中心で、時間のかかる記述問題はほとんど出題されません。配点は、文章読解で約70点、資料・統計の読み取りで約10点、漢字と語句で約20点です。合格者平均点は65点程度の年が多いようです。


<これからの学習作戦>

  1. テキストの単元通りにアプローチして読解問題で最低40点
    説明文・論説文では話題→要点→要旨、小説・物語では場面→心情→主題、このように、テキストの単元通りにステップをふんで読み取れば正解に結びつきやすいように作られている問いが目立ちます。学習の際に「これは第2段落の要点をまとめる問題だ」「これは主人公の性格をとらえる問題だ」という認識をもつことが大切です。
  2. ヤマを張らない学習を続けて知識問題で最低15点
    鎌倉学園の知識問題の特徴は全分野からまんべんなく出題されることです。1つの単元を学習し忘れることで大きな減点につながってしまうというケースが考えられます。漢字練習をふくめて毎日こつこつと、そして取りこぼしのない学習を心がけてください。
  3. 社会の学習を活かして資料・統計問題で最低5点
    5年ほど前から資料やグラフの読み取りが出題されています。ただし、ていねいに数字を追っていけば理解しやすい問題が多く、また、高齢社会・温暖化・新型コロナなど、社会の入試問題ではないかと思われるケースも多々あります。学校側も意識してテーマを選んでいるはずで。地理・歴史・公民にかたよらずに、社会の授業で扱われている資料やグラフは鎌倉学園の国語の入試にも役立つという意識をもち続けることで合格点に近づきます。
算数

< 傾向 > 50分 100点満点

大問8題から構成されており、例年、[1]計算問題が4問、[2]一行問題が4問、[3]平面図形の一行問題が2題、ここまでが計算と一行問題と呼ばれる部分にあたります。その後、大設問が[8]まで(各大問につき小問が3題ずつ)続きます。小問数が多いので、1題あたりにかけられる時間が短いことが特徴です。工夫して計算するなど、「ただ解く」ではなく「効率よく解く」ことを意識することが大切になってきます。
形式に変化は見られませんが、今年は例年大問8で出題されていた水量とグラフの問題が、回転体の問題になっていたり、野球をモチーフにした割合やつるかめ算の出題があったりと、目先を変えるような出題が見られたものの、本質的には大きな変化はなかったと言えます。


<これからの学習作戦>

  1. 計算力は必須
    少し複雑な数値設定がなされていることも多い上に、問題数が多いため繰り返し計算をする余裕はありません。そのため、精度・速さともに高度な計算力が求められます。ただ地道に求めていくだけでなく、答えを求めるまでの見通しを考えた上で、計算を進めていきたいです。特に円周率(3.14)がからむ計算では、まとめて計算することで素早く正解にたどりつけますので、日頃から意識しておきましょう。
  2. 全体を見渡す力
    問題数が多いため、スピード勝負の入試とも言えます。従ってどの問題から取り組むのか、問題を見て判断する必要があります。初見の問題でも、おおまかな解法の方向性を定める力が必要となります。
    また、すぐに解法が思い浮かばない問題があった場合、踏み込み過ぎずに他の問題を見るという取捨選択も必要になります。また、(1)(2)は解いても、(3)は後に回すなどの柔軟な答案作りが求められます。そういった意味でも、制限時間の中で全体を見渡す力が大切になってくるでしょう。
  3. 効率的に解く力
    出題形式自体はオーソドックスで題意が掴めないような問題はありません。解法自体も道筋が見えるものも多いですが、各問題少しずつ時短できるポイントが隠されています。計算力にものを言わせ、がむしゃらに解くことだけが正解でありません。日頃の学習の中でも、解けた・解けないだけでなく、解き終えた後に解法プロセスをふり返り、さらに効率的な方法がないのか確認する習慣をつけておきましょう。
社会

< 傾向 > 30分 60点満点

大問2個、それぞれテーマが設定されて、地理・歴史・公民の知識がきかれます。今年は、「島」と「広島サミット」でした。地理・歴史・公民全般についての基本的知識とその背景が問われますし、資料統計を読み解く問題も出題されますし、記述問題も出題されます。今年は、2014年にロシアがサミットから参加資格停止になった原因を答える問題が出題されています。
鎌倉に関わるドラマや観光施設、寺院などにこと寄せて、リード文や絵図が出てくることが特徴の1つです。今年は、鎌倉時代に建設された和賀江島、1993年に開園した八景島シーパラダイスの記事にこと寄せて出題されました。


<これからの学習作戦>

まず、小6夏までに一問一答式の問題集を活用して,地理・歴史の基本知識の定着を図りましょう。基本的な知識を徹底させた上で,用語の背景や理由なども意識して学ぶ必要があります。また,統計資料を読み解く問題や記述問題集など「考える」系の問題集に取り組んでおくと対策につながります。
普段の生活やニュースの中で得た情報を、学んだ知識と重ねて考える習慣もつけておきましょう。
例えば,「なぜ、空港にお祈りの部屋のピクトグラムがあるのだろう?」
→「世界中から観光客が来るということは、宗教もそれぞれということ。お祈りする部屋は公共施設として必要。」
→「日本人は宗教に対する関心がうすいけれど、外国人はどれくらい宗教を信じている人がいるのだろう?」
→「キリスト教30億人、イスラム教22億人、ヒンズー教は14億人。世界は、むしろ無宗教の人の方が少ない。」
→「日本は観光に力を入れるために、宗教についての一通りの知識は持たないといけない。」
→「でも、国のお金で建設、運営する施設を宗教施設として開放することは、日本国憲法の政教分離原則に反しないのだろうか?」…と
思考を発展させて考えたり調べてみたりしてみましょう。

理科

< 傾向 > 30分 60点満点

4分野ほぼ均等に出題されていて、30分で30問前後の試験問題です。試験時間と問題数のバランスから素早い解答が必要です。また分野に関係なく資料を読み取る問題が出題されていますので、資料読み取りに時間を取られないように注意が必要です。
基本問題が多く,解きやすい問題構成になっています。


<これからの学習作戦>

資料の読み取り問題が出題されます。いくつかの資料を同時に読み取って解く問題が多いので、ふだんから資料の読み取りに慣れることを意識して学習を進めるといいでしょう。
また、これまでに学習したことのない内容であっても、問題文を理解しながら読み進めれば、資料の中から規則などを発見できますので、あわてないことが大切です。
物理・化学分野の計算問題が出題されますが、基本的な問題が中心で取り組みやすい問題が多くなっています。基本に忠実に学習していけば,十分に合格点に達するはずです。

慶應義塾普通部

国語

< 傾向 > 40分 100点満点

小説・物語から1題、説明文・論説文から1題の文章題が出題。
知識問題は,漢字の書き取りの5題+熟語か、漢字の書き取り10題という出題方式が、多く見られます。
40分の試験時間のわりに問題数が多く、手際よく書き抜き問題や選択肢問題をこなす必要があります。また、短時間でまとめる記述力は必須です。


<これからの学習作戦>

  1. 読書スピードと内容把握力の正確さが“鍵”
    選択問題は消去法を活用するなど,効率よく解いていく練習が必要になります。スピードと正確さは日々の努力の賜物ですから、日頃から読書習慣をつけることも有効です。
  2. 記述力を高める
    20~60字の記述問題が多く出題され、指定の字数ではまとめづらい設問もあります。まず、10字程度でまとめることを想定した上で、それに修飾する言葉を加えていくとまとめやすくなるでしょう。記述問題を解く際に、この方法を意識して練習してみましょう。
算数

< 傾向 > 40分 100点満点

出題形式は例年と同様です。すべての問題で、考え方・式の記述が必要です。難問・奇問の類はなく、一度は見たことがある問題が並びます。ただし、テスト時間に対して処理力を要する問題が多いため、テキパキと解いていくチカラが必要です。


<これからの学習作戦>

  1. パターン学習に陥らず、本質の理解をする
    どこかで見たような問題が多いですが、王道的な解き方のままではなく、ひと工夫が必要な問題が多く見られます。そのため、問題をパターンにあてはめ、「〇〇算は掛けて、引いて、割る」といった問題の見方をしていると対応ができません。「なぜ」を大切にしながら日頃の演習を進めていきましょう。
  2. 経験に勝る訓練なし
    同じ単元の問題でも、問題の切り口は無数にあります。入試で、「あっ、この問題はやったことある!」となれば、これほど心強いものはありません。一捻りした問題でもそう思えるよう、数多くの問題に取り組むようにしてください。さまざまな切り口を経験することが大切ですので、1つの教材をマスターした上で、目の前にある教材をまんべんなく取り組みながら経験量を増やしていきましょう。
  3. 時間を意識する
    問題を解くスピードを上げるには、「1つ1つの計算速度を上げる」「解法を考える時間(どう解こうか迷う時間)を減らす」などの方法が考えられます。いずれの場合も、日頃からスピードアップを意識できる環境で勉強することが大切です。学校に行く前など、勉強を終えなければいけない時間が明確に決まっているような状況を常日頃から意識して作るようにしましょう。
    また、算数では解法理解を深めることで「論理の飛躍」が可能になります。頭の中で先回りした考え方を進めることが可能になると「効率的に解く」ことにつながります。
社会

< 傾向 > 30分 100点満点

出題数は50問前後、地理と歴史からの出題がほとんどで、公民分野はあまり出題されません。地理は地名を地図から選ぶ問題や貿易に関する問題、歴史は明治以降の近現代から多く出題されています。また、昨年まで社会生活に関する知識問題が出題されていましたが、今年は出題されませんでした。


<これからの学習作戦>

知識重視です。地理・歴史・公民のテキストレベルの知識習得を小6夏期講習前までに行いましょう。そして普段の生活の中からも“社会へのあり方”が問われるので、自分が“大人”としてこれからの社会と接していくために大切なことは何か、学校や家庭生活などで自分が社会の一員として意識することが大切です。何気ない生活のなかにも“意味”を考える、そんなことを習慣づけるようにしましょう。

理科

< 傾向 > 30分 100点満点

ここ最近は、物理・化学・地学・生物分野がまんべんなく出題されていますが、バランスを考えると生物に少し偏った出題が多いです。その生物分野は実体験がないと解答が難しい問題もあり難易度が高くなっています。また30分の解答時間で30問弱の問題を解かせることから即断即決が不可欠な問題になっていることも注意が必要です。


<これからの学習作戦>

まずは、短い時間の中で問題を解くことを練習する必要があります。様々な用語を「答える」のではなく、「速く答える」ことが大切です。まとめものを使った反復練習を欠かさないことです。あとは、記号問題で答えが瞬時に分かるものはいいですが、すぐに判断がつかないものは消去法で解くことも問題から学びましょう。
記述に関しても時間の制約上、余計なことを書かずに端的に答えることが大切です。そして、日常での理科の関心を忘れないことです。「理科に対するアンテナを常に張って自分で考えること」。それが、慶應普通部が求めている理想の学生像なのです。

フェリス女学院中学校

国語

< 傾向 > 50分 100点満点

小説・物語から1題、説明文・論説文から1題、小説・物語から1題、そして,ことばのきまり、漢字の書き取り・読みが出題されます。小説・物語は、受験生と同世代の登場人物が多く、細かな心情の読み取りが必要となります。6000字を超えてくる長文が多く、読むスピードをつけることが必至。選択肢は比較的、解きやすい設問設定になっています。
小説・物語の後に、1000~1200字程度の説明文・論説文が出題されます。文章を読んだ上で、自分の考えを200字以内でまとめる問題ですが、差がつく問題となるでしょう。


<これからの学習作戦>

  1. 読むスピードと文章の展開を把握力する力
    大問1の小説・物語は,文章量が多く問題数が多いため、文章の展開を一読で把握し、心情変化を読み取っていく訓練が必要です。また、選択問題が多いので、選択肢の正誤を正確に、素早く見極めるための解き方を身につけましょう。
  2. 自分の言葉で意見する
    大問2は、200字で自分の考えを書く問題です。大問1で時間をかけ過ぎると,この問題に時間をかけられず試験時間が終わってしまう可能性があります。配点を考えると、この200字記述を書き上げたいところです。日頃から世の中の変化や問題点に目を向け、社会の問題を自分で考え、それを言葉にする練習が大切になります。
    知らなかった言葉は、専用のノートを作り書き留めておくとよいでしょう。知識問題を解く際に役立つだけでなく、文章読解や記述の表現力アップにつながります。
    今年は、「家族の問題を解決する」ための意見を書かせる問題でした。
    家族に配慮しつつ、自分の意見をまとめるという教育方針を感じさせる設問だったと思います。
算数

< 傾向 > 50分 100点満点

これまで大問5題の出題形式が続いていましたが、今年度は大問が4題と変化が見られました。出題形式には変化がありましたが、出題傾向としてはこれまで通りだと言えます。[1]は計算1題と小問4題ですが、小問と言っても決して難易度が低いわけではありません。「作業する力」と「そこから一般化する力」が試されることはフェリス算数のひとつの特徴であり、十分な対策が必要です。また「円とおうぎ形」と「直角三角形」が絡んだ問題は頻出です。問題用紙の中に解答欄が含まれる、問題・解答用紙一体型入試問題であることも特徴のひとつです。


<これからの学習作戦>

  1. 条件を読み込み題意の通り作業してみる
    多くの場合、小問の(1)で題意(ルール)を把握することになります。問題を読んだ瞬間は題意がつかめない場合がありますが、実際に手を動かして作業していくことで流れがつかめることが多いです。これは(2)以降を思考する準備と言えます。この作業を通しての「気付き」にアンテナをはってみましょう。自分で解きながらの「気付き」、少し俯瞰して問題をながめてみての「気付き」、そういった気付きを大切にすることで解く糸口が見つかってくるはずです。単なる作業だけに終始しない「作問者の意図」に気付くことにつながるでしょう。
  2. 和と差に着目する
    フェリスの算数においては和と差に着目する問題は頻出です。「2量」の和と差、「速さ」における和と差など分野を横断して和と差を意識させる問題は頻出です。このような視点は、「問題を大局的に見る」ことで養われます。解いた後にどんなプロセスをたどっているのかふり返ることも大切ですね。
  3. 設問の流れを感じとる
    小問同士のつながりに目を向けることで、解法の糸口が見つかる場合があります。(2)では(1)の結果を、(3)では(1)(2)の結果に目を向けることで、その考え方や答えを活用できる場合があります。
    すぐにゴールまでのイメージがつかめない問題でも、そこでたじろいでしまうのではなく、試行しながら問題の意図をつかむこと、これは普段の学習での成功体験がとても重要です。
社会

< 傾向 > 30分 60点満点

制限時間30分の中で、出題は40問前後、そのうち記述問題の割合が多く8~10題あります。
地理は農業・工業・貿易のグラフや図表をからめた出題、歴史はすべての時代が総合的に出題、公民は地理・歴史と比べると少ないが経済や財政などから中心に出題されています。今年は公民分野の出題は1問のみ。また、地理・歴史・公民にからめた現代社会の出題もあります。


<これからの学習作戦>

テキストレベルの基本知識を小6夏期講習までに身につけましょう。そして、小6の入試直前期は、過去問や資料分析問題などの演習を通して、出題傾向に慣れておきましょう。
地理と歴史の融合問題が出題されることがあります。歴史を学習する際には世界地図や日本地図を思い浮かべながら学ぶことが大切です。また、時事問題対策も必須で、ニュースやインターネット、こども新聞などで情報を収集し、その時事に対してどのような考えをもつか、自分なりにまとめられる練習をしておくことが大切です。
知識の習得だけにとどまらない,本質を考える視点が必要です。特に地理・歴史の学習を通じて,現代社会をより深く知ることにつながっていることに気付けると良いですね。

理科

< 傾向 > 30分 60点満点

4分野から大問が1題ずつ出題されます。選択式問題や語句を記入させる問題だけでなく、記述問題も多く出題され、作図する問題も頻出となっています。基本問題だけでなく,計算問題や記述問題も多く出題されるため、時間配分に気をつける必要があります。また、表やグラフなどのデータを読み取る問題も毎年出題されています。


<これからの学習作戦>

テキストに記載されているような基礎知識を幅広く身につけることに加えて、日常で目にするモノや現象についても関心の目を向けることも必要です。また、データの読み取りが必要な問題の出題も多く、初めて目にするデータをその場で分析し、それを簡潔に記述する力も問われています。基礎知識を確実に固めることと合わせて、日頃からデータについて深く考察する姿勢が必要です。また、難易度や問題量のわりに試験時間が短いため,手際よく優先順位をたてて問題を処理していくことも、普段の学習の中で意識しておきたいことです。

洗足学園中学校

国語

< 傾向 > 50分 100点満点

大問は長文読解2題構成です。説明文・論説文から1題、小説・物語から1題出題されます。漢字や語句は読解問題の中に組み込んであります。小問は毎年30問前後で時間に追われることはほとんどありません。
洗足学園の入試問題の特徴は、60字前後でまとめる問題が約50点分も出題されることです。また、慣用的表現の出題が多いことも見のがせません。


<これからの学習作戦>

  1. 学校が公開している解説から受験生へのメッセージをつかむ
    洗足学園は入試直後にくわしい解説書を公開してくれます。そこから、記述問題(1問8点程度)で高得点を取るための条件が明らかになります。
  2. 「簡潔にまとめる」ことを要求しているわけではない
    解説書には「この段落」「この場面」をまとめると良いというような単純なことは書かれていません。何行目~何行目までに書かれているこの部分と何行目~何行目までに書かれているこの部分をまとめます、と書かれています。しかも、2か所ではなく3か所をまとめることを満点の条件にしてある場合も多々あります。簡潔にまとめることではなく、限られた字数でできるだけくわしく説明することが要求されています。
  3. 第一条件は「言い換え力」を鍛えること
    2か所でも3か所でも利用できる表現に気づく生徒は山ほどいるはずです。しかしながら、字数以内にまとめるのは至難の業です。何字以内で答えなさい、何行以内で答えなさいという問いばかりなのは、字数がふくらむようであれば自分の言葉で短く言い換えなさいというメッセージに違いありません。文章中の言葉を使ってまとめる→さらに短く言い換えてみるという作業の繰り返しが学校側が求めている理想的な答案づくりに直結します。
算数

< 傾向 > 50分 100点満点

[1]計算2問、[2]・[3]小問集合8問、[4]・[5]大設問という構成です。解答までの考え方や式を書く問題が出題されます。基本的な解法を用いるものの,問題設定(数字設定)が難しく,容易に解ける問題が年々少なくなってきています。
図形、割合、規則性、速さ、幅広い領域から出題されています。中盤以降の問題では,解法過程を答案に記入する問題も出題されています。


<これからの学習作戦>

  1. 情報(条件)の整理をする
    入試傾向から,次のような手順で問題と向き合うことになります。
    まずは問題に示されている情報をしっかりと把握し,条件を整理するところから始めましょう。題意をつかまずに見切りで解いてしまうのは二度手間になります。その上で,設問で求められていることを正確に答えていく必要があります。途中の計算が複雑になる場面では,適切な情報を活用しているのか,その都度確認していきましょう。次の設問に進むときには,設問の流れ(ストーリー)を意識することが解法の糸口となります。
     こういったことを日頃の学習で心がけることが大切になります。
  2. テキスト・模試・過去問の活用
    典型的な問題においてはスピード感を持って解いていくチカラが必要です。スピードは意識して速まるわけではなく、深く理解することから論理の飛躍が可能になり、結果的に時間短縮につながっていきます。そういった意味で、テキストの例題・類題レベルを深く理解することがとても重要です。ここの論理が少しでも曖昧になると、応用レベルの問題で無駄に時間がかかってしまったり、立ち止まる瞬間が多くなります。
    まずは、基礎的な解法を理解した上で、テキストに掲載されている典型問題をひと通り学習しましょう。すべての分野の典型問題を制覇するだけでかなりの時間を要します。そして、模試や過去問など制限時間がある中で、効率的な解法ができているのかをチェックしてみると良いでしょう。また、一度で正解する得点力をつけることも意識しておきましょう。
社会

< 傾向 > 理科と合わせて60分 75点満点

出題数は30問前後で、記号がメインですが資料分析問題が5題前後出題され、いずれも読み取る力と思考力が試されます。記述問題は3題出題されますが、いずれも資料を読み取っての考察記述なので難度は高いです。時事問題も必ず出題されています。地理は地形図、歴史は全時代、公民は日本国憲法と選挙が頻出分野でしたが、今年は公民分野の傾向が変化し、国際関連や社会保障が出題されました。


<これからの学習作戦>

基本知識の習得が最低条件です。日頃学習しているテキストを活用して、小6夏期講習まで徹底的に身につけましょう。そして、小6の入試直前期は、過去問や資料分析問題などの演習を通して、出題傾向に慣れておきましょう。
また、思考型問題においては自分の考察をしっかり自分の言葉でまとめられる練習をしていきましょう。背景や因果関係などを理解しながら知識を習得していれば、設問に答えるためのポイントを簡潔にまとめることができるはずです。

理科

< 傾向 > 社会と合わせて60分 75点満点

物理・化学・地学・生物の各分野からバランスよく出題されています。また計算問題の割合が他の女子校に比べると多くなっています。特に計算の割合が多い物理・化学分野だけでなく、他の分野にも計算が及ぶこともあります。この他にも身近な物や事柄からの出題も多くあり、それを長い文章の中から読み解かせ、鍵となる言葉や文章を見つける問題が多いです。まさに最近の入試に良く見られる思考系の問題の典型といえるでしょう。そして、理科社会であわせて60分という時間配分を考えると過去問での訓練が必要でしょう。


<これからの学習作戦>

テキストに書かれていることを丸暗記するような勉強では全く歯が立ちません。内容を理解するために書いてあることを1つ1つ「理詰め」で考えていく習慣が大切です。その「理詰め」が「堅牢な知識」を作り上げるもとを作ります。その「堅牢な知識」に「正確で素早い読解力」を加えて得点を取っていくことがこの学校に合格する作戦と言えるでしょう。
そして、身近な理科の事象には常に眼を光らせておく必要があります。例えば「環境問題(食物連鎖)」「自転車(てこ・輪軸)」など身近な理科の事象はみなさんのすぐそこにあります。そこにどういう理科の知識が詰まっているのかを考えるだけでも理科の力はついてきます。まずは眼を向けて考えてみることからスタートしてみましょう。
また、実験・観察の手順や結果、実験器具の扱い方なども理解を深めておきましょう。「堅牢な知識」を6年夏期までに仕上げた上で、過去問演習で傾向に慣れ、6割~7割取ることを目標としましょう。

横浜共立学園中学校

国語

< 傾向 > 45分 100点満点

例年,小説・物語から1題、説明文・論説文から1題、漢字の読み書きから1題の大問3題構成が定着しています。また,ことばのきまりに関する問題が、長文読解の設問の1つとして出題されています。小説・物語、説明文・論説文ともに理由を問う問題が出題されますので、文章の展開を追いながら、問題を解き進めていくとよいでしょう。


<これからの学習作戦>

  1. 文章の展開を追う
    理由を問う問題が出題されますので、登場人物がなぜそのような言動をしたのか、筆者がなぜそのような考えに至ったのか、考えながら読み進める癖をつけていくとよいでしょう。
  2. まとめる力
    内容をまとめたり、変化や理由を書かせたりする問題が多く出題されます。50~80字程度で、要旨や心情変化をまとめる練習をしておくとよいでしょう。
  3. 知識
    問題文を使って、知識問題を出題しています。
    ことばのきまりの中では、品詞の見分けや助詞・助動詞がよく出題され、文意を理解した上
    で、慣用句やことわざなどの語句を選択するような問題も出題されます。
    獲得した知識を忘れないように、時期を見ながら復習を繰り返すとよいでしょう。
算数

< 傾向 > 45分 100点満点

出題形式は大問5題となっており、ここ数年全く変化はありません。[1]は計算問題が2題と一行文章題が4題の合計6題の小問で構成され、その後に大問が4題続きます。[2]以降は「速さ」「割合」「平面図形」「立体図形」が出題されます。
過去問をじっくりと取り組んでいる受験生にとっては、入試本番でも出題傾向などの変化に戸惑うことなく、安心して取り組める問題です。


<これからの学習作戦>

  1. 問われていることはあくまでも基礎力
    例年基本的な考え方が問われる問題が多いです。問題の条件さえ整理できれば、正解にたどりつくことはそれほど難しい問題ではありません。「速さ」「割合」「平面図形」「立体図形」の4分野に関しては、浅く広く解法チェックをしておくと良いでしょう。例題レベルの典型的な問題については,その解法をすぐに頭の引き出しから取り出せるようにしておきましょう。
    出題傾向はしばらく変化していないので、過去問はできるだけさかのぼって多くの問題に触れておくことも対策となります。
  2. 設問の流れがそのまま解き筋となる
    大設問における小問は、(2)は(1)の結果を、(3)は(2)の結果を活用することが多くあります。(1)→(2)→(3)の順がそのまま解き筋になります。したがって、難易度の順に小問が並んでいるため、(1)は題意がつかめれば解ける問題、(2)は(1)の結果を利用して解く問題、(3)は(2)までをさらに発展させて解く問題という位置づけです。このあたりも、過去問を活用して体感しておきましょう。
社会

< 傾向 > 40分 100点満点

地理・歴史・公民の3分野からまんべんなく出題され、出題数は50問前後です。今年は記述問題が2題出題され、資料を読み取って思考する問題も少数ながら登場しています。昨年までのように基本知識をシンプルに問う問題は減り、選択肢の文言や問題文に工夫がみられ、丁寧に問題を読むことが求められるものが増えており、難易度は少し上がっている印象です。


<これからの学習作戦>

幅広い分野からの出題となっているため、年号や語句の単なる暗記では高得点を取ることはできません。テキストにある資料集を活用しながら、習得した知識をおさえていくことが大切になります。また、語句を書かせる問題が多いことから、普段から用語をしっかり漢字で書けるようにしておく必要があります。時事問題については直接問う設問はないものの、時事問題に絡めてリード文が作られているものが多いので、ひととおり押さえておく必要はあるでしょう。

理科

< 傾向 > 40分 100点満点

各分野がまんべんなく出題されている一方、大問数や設問形式は年度ごとに異なる傾向にあります。また、設問の切り口も独自のものが多く、解きにくさを覚える受験生もいるのではないかと思います。総じて難易度は高めと言えるでしょう。


<これからの学習作戦>

各分野の基本事項や基礎知識は早い段階で身につけ、難易度の高い問題での練習を心がけるとよいでしょう。問題形式も一定ではないため、過去問が結果に直結はしませんが、通常とは異なる切り口での出題があるということを知るという意味では、過去問への取り組みが重要になってきます。
頻出でない知識が散見されますが、これまでの既習内容からの類推が可能であったり、問題文中にヒントが隠されていますので、しっかりと問題を読み込むことで解答への糸口をつかむことが可能です。また、独自の切り口の問題についても、正解する上で必要となる知識は既知のものであることが多いので、すぐに諦めることなく、粘り強く取り組む姿勢が重要になるでしょう。
設問数は少なくなく、じっくりと考えることが必要になることから、相応の思考スピードが求められます。
身近な現象がテーマになることも多く、日頃から身の回りの出来事やニュースに関心を持つことが大切です。

横浜雙葉中学校

国語

< 傾向 > 50分 100点満点

小説・物語から1題、説明文・論説文から1題、そして漢字の読み書きや漢字に関わる知識の問題が出題されます。教育方針に沿うような内容の文章と思われる作品が多く、選択問題・抜き出し・適語補充・記述問題(50~80字程度)がバランスよく出題されています。


<これからの学習作戦>

  1. 文章の展開をつかむ
    小説・物語は登場人物の心情の動き、説明文・論説文は筆者の考え・思惑を読み取り、設問に対応していく必要があります。本文の内容を踏まえての記述、自分の体験を挙げての記述など、いかに内容を把握しているか問われる設問です。本文と似た体験はないか、作者・筆者が読み手に伝えようとしている意図は何なのかなどを考え、出題される字数程度でまとめる練習をしておくとよいでしょう。
  2. 言葉を楽しんで学ぶ
    部首や語句の意味・熟語など、数種類を組み合わせて出題されています。「書ける・読める」に重きを置くだけでなく、知識問題全般を深めておくとよいでしょう。言葉や漢字に興味を持ち、日頃から国語辞典や漢字辞典を活用しながら,知らなかった言葉を専用のノートに書き留めておくことも対策につながります。
算数

< 傾向 > 50分 100点満点

[1]は計算と一行問題、[2]、[3]は大問という構成です。平均点は年度によって差がありますが、例年,合格者と受験者の平均点の差は算数が一番大きく(10点ほど)、合格を左右する科目と言えるでしょう。変化をとらえる問題(グラフの読み取り、規則性など)は頻出です。


<これからの学習作戦>

  1. 前半の問題[1]ではミスを最小限に
    四則計算、和と差、割合と比、速さ、平面図形といった頻出問題を正確に解くことがまず必要です。各問題の難易度はそれほど高くないため、ここでのミスは最小限にしたいですね。テキストに掲載されている「例題・類題」レベルは、どの分野であっても素早く確実に処理できることが理想です。6年生の9月以降の学習では、時間を意識した学習も心がけましょう。
  2. 変化をとらえる問題は頻出
    グラフ問題や規則性など、変化をとらえる問題は頻出です。その変化に理由があるのか、例えば、グラフを読み取るとき、①グラフのたて軸と横軸は何を表しているのか、②グラフの変化点ではどのようなことが起こっているのか、をていねいに確認しながら題意をつかむことが大切です。また、規則的に変化する問題においては、その周期をとらえて計算にいかしていくことを考えましょう。いずれも過去問を活用して慣れておくと良いです。
  3. 書き出すチカラと説明するチカラ
    「数論」も頻出テーマとなります。数の性質や場合の数がこれに該当します。題意をつかむために書き出してみるなど、一歩踏み出してみることが大切です。少ない場合から書き出した結果を一般化できると,小問の後半まで解ききることが可能になるはずです。
    また、法則や解法を説明する問題もよく見かけます。日頃の学習から「なぜ?」を1つずつ解決していくようなていねいな学習が結果的には対策につながります。
社会

< 傾向 > 40分 80点満点

試験時間は40分、出題数は40問で、ここ数年で問題量が減少しているかわりに難度が増している印象です。歴史はすべての時代から出題され、地理は例年食料やエネルギーに関する表やグラフが出題,公民は国会や内閣に関する出題が多いです。また、記述が3題出題されますが、資料から読み取れる理由を考察する内容が多くレベルが高いです。


<これからの学習作戦>

資料やデータ分析、記述問題など含め、それなりの問題数が出題されるので、一問一答形式の基本知識については問題を読んだらすぐに答えられるまで深めておきましょう。また、小6の入試直前期においては、過去問演習に加えて、資料分析の問題や思考型の記述問題に数多く触れるとよいです。
説明記述問題は、「背景」や「理由」「原因」が問われる問題が多いため、普段から「なぜ」を考えながら学習する習慣が大切です。わからないことや記述の採点など不安なことがあれば、先生に質問しましょう。

理科

< 傾向 > 40分 80点満点

例年、物理・化学・地学・生物の各分野から1問ずつ大問4題の傾向が続いています。そして、どの単元も実験・観察・データに基づいて出題するため、基本的な知識からの出題が多いとはいえ,それを合格点まで持っていくにはその場での深い読み取りが必要となります。


<これからの学習作戦>

全般的に基本的な知識で解ける問題が多いので、基礎知識を早い段階で習得して、問題演習しながら経験値を高めていきましょう。ただし、知識の丸暗記ではなく、根拠や理由を明確にしながら学ぶ姿勢が必要です。
持っている知識を前提に、そこからふくらませて考える問題が今後増える傾向にありますから一問一答式の学習だけでなく、思考したり分析しながら理解を深めていきましょう。
また、リード文が長いため、ポイントを整理しながら素早く問題を解く練習が必要となります。

鎌倉女学院中学校

国語

< 傾向 > 45分 100点満点

小説・物語から1題、説明文・論説文から1題、漢字の読み書き、知識問題で構成されます。
字数の多い記述は出題されず、例年多くて40字程度です。
長文読解は、非常に長い記述が出題されることなく、文脈や心情変化を読み取り、適語・適文補充や接続語、指示語の問題など、標準的な作問です。
試験が時間のわりに小問数が多いので、時間配分に注意が必要になります。


<これからの学習作戦>

  1. ヒント探し!
    空欄に適語を補充する問題が毎年出題されています。日々の学習の中で、ヒントとなる言葉を文章中から探し、確実に適語を探していく練習していきましょう。また、理由を問う問題も多く、変化のきっかけを気にかけながら問題文を読む癖をつけていくことも必要になります。
  2. 言葉に興味を持つ
    慣用句・外来語の意味など、問われる問題が1つの大問として出題されます。共通した言葉を答えるとか、干支に絡めて慣用句が出題されるとか、一ひねり加わっている場合が多いため、日頃から日本語に興味を持ち、ことばの意味を考えながら、語彙の幅を広げていくとよいでしょう。
  3. 2024年度入試の1次試験では小説・物語が出題されず、長文は2題ともに説明文・論説文でした。「小説・物語の方が点を取れる」と感じている女子は多いことでしょう。
    今回のように出題内容が予想と違って慌てるということのないように、本文に書かれている
    かどうかをしっかりと読み分け、説明文・論説文でもしっかりと得点できる力をつけておき
    ましょう。
算数

< 傾向 > 45分 100点満点

幅広い単元が出題されていますので、1つ1つの単元の基礎をしっかり身に付けて入試に臨む必要があります。
7割程度の得点率があれば合格が見えてくるでしょう。
今年は[1]計算問題[2]小問集合[3]小問集合[4]平面図形の大問[5]水量変化とグラフの大問という構成でした。


<これからの学習作戦>

  1. 各単元の基本問題を網羅する
    7割を獲得するには、[1]、[2]、[3]の計算と小問集合をまずは得点源にしたいところです。そのために各単元の基本に該当する問題を確実に正解する力が必要になります。幅広く単元が出題されていますので、各単元のテキストの例題・類題の徹底理解を目指しましょう。
  2. 「速さ」「図形」は頻出分野
    本校の大問を飾るのは、主にこの2単元。
    速さの問題はしっかり問題文とグラフを正確にを読みとる力と正確に図形に書き込める力が必要です。
    今年の水量変化のグラフはそこまで複雑なグラフではなかったので、まずは基本的な水量変化のグラフの問題をしっかり解く練習が大切です。
    図形については、しっかり必要な情報を整理し図形に比を書き込むことや線分図などの図を書き連比を使う問題の練習をしておくと良いでしょう。
社会

< 傾向 > 45分 100点満点

出題数は70問前後と非常に多く、地理は地形図読み取りや農産物上位都道府県の表、歴史はすべての時代、公民は日本国憲法や司法(裁判所)が例年出題されています。大学入試の共通テストを意識した出題方法で、受験生は、出題された文章や設問の資料・統計が学習した知識分野のどこに関係する知識なのかを判断したうえで、選択肢を検討することが必要でしょう。今年は、日本銀行券の肖像画が変わるので、それにちなんで大問2で「お札」をテーマに出題がありました。


<これからの学習作戦>

出題は非常にシンプルで,用語そのものや意味を問う問題が多いので,地理・歴史・公民の基本知識を徹底的に定着させることが大切です。特に歴史は流れを捉えながら理解を深めておきましょう。どこの時代のものなのかをきいてくることが多いからです。また,時事問題や環境問題,国際情勢をからめたものも取り上げられているため,ニュースを確認したり,テーマごとにノートにまとめてみることも効果的です。記述問題への対応も必要で,資料からわかることを自分のことばでまとめる練習をしておきましょう。

理科

< 傾向 > 45分 100点満点

例年4分野から大問1題でほぼ均等に出題されており、2022年度入試より試験時間が40分から45分に変更となっています。45分という時間は理科の試験としては長めで、1問あたりにかけることができる時間を考えるとそれほど忙しい試験ではありません。
各分野の問題で問われていることは基本的なことが中心となっているため、合格者の平均点は80%程度と高得点となることも多くなっています。


<これからの学習作戦>

考え方や説明を記述するタイプの問題はほぼ出題されておらず、計算問題についても基本的な考え方で解ける問題が中心となっています。よって、いたずらに時間をかけて応用問題に取り組むよりも、テキストの基本問題を繰り返し学習することによって基礎を積み上げることを最優先とし、それを様々な問題設定においても使いこなせるようにすることが対策としては有効です。
また、漢字指定の問題が例年出題(今年はカタカナ指定)されていますが、基本的な語句が中心となっているため、よく出てくる基本語句については日頃から漢字で書くことを意識しておきましょう。

田園調布学園中等部

国語

< 傾向 > 50分 100点満点

大問は長文読解2題構成です。説明文・論説文・随筆文から1題、小説・物語から1題出題されます。漢字や語句は読解問題の中に組み込んであります。字数指定なしの記述問題が数多く出題されることが注目ポイントです(1問につき10点程度)。今年は自分の意見を300字程度で書かせる問題が出題されました。


<これからの学習作戦>

  1. 「字数指定なし」の本当の意味を解き明かす
    田園調布学園は毎年模範解答を公開しています。今年の字数指定なしの問題で最も解答らんが広かったのは11行です。模範解答の字数を確認してみると約130字ありました。、解答らん1行につき25~30字の説明を求めていることがわかります。
  2. 部分点をかせぐだけの学習では合格点に届かない
    80字(4行)以内と指定された場合、たとえ40字程度しか書けなくても内容が正しければ部分点がもらえます。しかし、10点問題で3点か4点の部分点を積み上げても合格点に届くわけがありません。日ごろの学習では「部分点がもらえればいい」「バツでなければいい」という発想を捨てなければなりません。
  3. 「もっとくわしく」「さらにくわしく」を合言葉にする
    田園調布学園が公開している模範解答を調べてみると、答えに使えそうな表現が何か所かあって、そのうちの最もくわしく書かれている表現を使ってまとめると指定字数にあった解答を導き出すことができるというケースが多いようです。解答らんの行数を確認しましょう。
    3行あれば50字から60字程度のくわしさが求められています。傍線のすぐ近くの表現を使ったら30字にも満たなかった、でも部分点がもらえればいいかという発想では半分ももらえません。もっとくわしく表現されているところを利用してまとめようとするる根気強さと集中力を高めるトレーニングが必要不可欠です。
算数

< 傾向 > 50分 100点満点

例年、大問5問構成です。また、解法プロセスを記述する説明問題も出題されており、定番になっています。[1]は計算と基本レベルの一行問題で構成され、幅広い分野から出題されています。また、[4]は数列を利用して規則性を考える問題、[5]はグラフ・表の読み取りから解法を考える問題、典型問題ではなく、その場で理解して考える問題が出題されています。
出題領域は、「割合」「グラフの読み取り」「平面図形」「数列」「規則性」で構成され、比較的傾向がはっきりとしている入試問題です。


<これからの学習作戦>

  1. 「グラフの読み取り」を強化する
    水量グラフ・進行グラフなど、グラフの読み取りに慣れておくことが必要です。「速さ」「平均」「水量変化」のグラフは特に時間をかけて練習しましょう。グラフは読み取れるだけではなく、自分で作図ができるレベルまで練習できると万全です。
  2. 「数列」は自分で規則性を見出す力を鍛える
    数列問題は基本レベルから応用レベルまで幅広く出題されています。数の規則性が複数あるような数列まで練習することが必要です。また、設問の数列から新たな規則性を見つけるところまで要求されます。書き出すなど試行しながら規則把握につとめましょう。
  3. 解法プロセスを書く習慣をつける
    問題を解く際、必ず式を立てて計算していく習慣をつけましょう。入試問題の解法説明記述は特別なことを問うわけではありません。問題を読んだ後、すぐに計算し始めるのではなく、全体を見渡しながら解いていきましょう。
社会

< 傾向 > 40分 60点満点

出題数は55問前後で、例年1つのテーマから、地理・歴史・公民の総合問題が出題されます。
また、記述問題も多く、そのいずれも思考力を要する問題です。
地理はエネルギー関連、歴史は全時代、公民は日本国憲法の出題が多く見られましたが、今年は地理分野に傾向変化が見られ、都道府県に関する知識(地名・農業グラフなど)が出題されました(エネルギー関連は出題されず)。


<これからの学習作戦>

地理・歴史・公民のテキストレベルの基本知識を徹底させた上で、50問前後の設問を解き進めるスピードが要求されます。過去問演習を通して、制限時間と量のバランスをはかっておきましょう。
また漢字指定問題が出題されるため、用語を正確な漢字で書く練習も必須です。
設問が広範囲にわたっているため,不得意分野を作らないことが大切です。自分の弱点分野が見つかったらすぐにテキストにもどり,理解するまで復習しましょう。

理科

< 傾向 > 40分 60点満点

各回とも出題は4分野から大設問1題ずつの出題です。生物は植物・動物・人体、地学は地層・気象・天体、化学は水溶液・燃焼・状態変化、物理は光と音・電気・力学から出題されることが多く、同じ年度内で同じ単元の出題はあまりありません。
記号選択以外に用語記入・短文記述・作図(グラフ作成を含む)・計算問題(途中式を書く)も出題され、記述問題の占める割合は少なくありません。ただ,出題内容は基本問題が中心となっており,40分の試験時間を考えると問題数も多くはありません。


<これからの学習作戦>

基本問題が中心ですが、記述問題や計算問題が多いため、難しく感じるかもしれません。ただ、1つ1つ丁寧に見ていくと、出題レベルは決して高くはありません。一方で、記述問題へのアプローチとして、表層的な結果だけでなく、「なぜ」という理由までしっかりと確認しておく必要があります。また、日常に見られる身の回りの自然現象に関する設問も多いため、日常の出来事や現象を理科に結び付けて考える習慣が身に付くと入試問題にもスムーズに対応できるようになるでしょう。そういった意味では、理科に関するアンテナを常に持ち続けましょうという学校のメッセージが感じられます。理科に関する学校側の姿勢、学校側が求める生徒像というのがよくわかる入試だと言えるでしょう。

神奈川学園中学校

国語

< 傾向 > 50分 100点満点

物語文、説明的文章(論説・随筆文含む)の2題と知識問題(漢字の読み書き・ことわざなど)の出題構成になっています。読解問題は、記号選択と書き抜き問題が中心です。
物語文では、登場人物の心情や言動に対する理由を問う問題が出題され,説明的文章では、内容の説明や筆者の考えを問う問題が多く出題されています。知識問題は、基本レベルですので日頃の学習で十分に対応可能です。


<これからの学習作戦>

  1. 知識
    90%以上は基本レベルです。特別な対策は必要なく,バツ直しまでふくめ確実に学んでおきましょう。
  2. 読解
    7000字前後のボリュームの素材文を読み取ることが求められるので、長文問題を積極的に取り組むようにしましょう。ただし、設問は基本レベルですから、日頃の学習・過去問演習で十分に対応できます。
    また,問題数が50問以上あるので、時間を意識して答案を処理するトレーニングをしておくとよいでしょう。
算数

< 傾向 > 50分 100点満点

大問5題。基本的な問題が中心ですが、[3]以降は答えだけでなく考え方や途中式を書かせる複合問題が出題されます。近年は会話形式の問題が出題されているため、条件の読み落としをしないように精読しましょう。会話文中や与えられたデータ(資料)にヒントとなる条件が書いてあるため、それを整理しながら解いていくと良いです。


<これからの学習作戦>

  1. 計算力を高めて確実に正解する
    計算のスピードアップがはかれると、思考するために時間を費やすことができるため、計算力をつけておくことは大切です。ポイントは、「継続」して計算問題に触れること、式をまとめるなどの「工夫」をすること、限られた「時間」内で正解を導き出すことです。この3点を意識して取り組みましょう。
  2. 条件を整理する
    題意がつかめれば難易度は高くはありません。条件を図に表すなど整理してみましょう。表やグラフ、状況図を描くなど、条件整理することで一気に解答までの道筋をつけることが可能になります。
  3. 典型問題を理解する
    出題されている問題はテキストの例題・類題レベルです。一度は見かけたことがある問題が中心ですので、分野を問わず、日頃の学習の中で出会った問題をていねいに理解していくことが大切です。理解した上で、自力で解けるようになるまで反復練習してみましょう。
社会

< 傾向 > 30分 60点満点

地理・歴史・公民をまんべんなく勉強しておく必要がありますが、出題は歴史の比重が大きく、公民の比重は軽いです。地理では、地方別の出題が多いので、北海道地方から九州地方まで、地方別に地形の特色や産業(農業や工業など)を整理しておくことが必要。歴史は、古代から現代まで幅広く出題されます。資料統計問題も慣れておきましょう。
また、時事に関する問題も出るので、報道されるニュースに関心を持つことを心がけましょう。
「こういうことが問題になっているんだな」くらいは知っておくとよいです。今年は、広島サミットがテーマでしたが、それを知らなくても設問に答えることは可能でした。


<これからの学習作戦>

小6夏までに、一問一答式の問題集を数多く演習しながら、地理・歴史の基本知識を固めましょう。
その際、用語の背景や理由もしっかりつかむことが大切です。公民分野は小6夏期講習中に基礎知識を固めます。
その上で小6の入試直前期に、地図や資料統計を読み取る問題(記述問題も含む)を数多く経験しましょう。
素材としては、過去問や市販されている資料統計問題集や記述問題で十分です。
記述問題集に取り組むときは、頭の中で答えを作り、模範解答を見て、自分が思いつかなかった内容にマーカーを引くという作業をするのがよいです。
生活の中での「社会」も意識しておきましょう。
例えば、スーパーで夏に売っているナス、ピーマン、きゅうり、トマトは、なぜ冬にも売っているのか、なぜ夏に売っているものよりも高価なのか、をスーパーで考えてみるなど。すると、大都市圏から離れているところでビニールハウスや暖房施設を使って、冬に栽培をすると、冬でも買うことができるし、しかも農家は高価格で売ることができる…ということがわかってきます。

理科

< 傾向 > 30分 60点満点

これまでは、前年と同じ単元が出題されることは少なく、各分野からまんべんなく出題される傾向がありますが、本年度の入試に関しては昨年とほぼ同じ単元からの出題でした。難易度が高いわけではありませんので,テキストに掲載されている基本問題を理解しておけば十分に合格点は取れるレベルです。


<これからの学習作戦>

まずは小6夏までに基礎知識の習得を目指しましょう。その上で,記述問題(実験や観測の結果から理由を答える問題)への対策が必要です。
過去問は可能な限りさかのぼって演習して,傾向になれておくと同時に,記述問題への経験値を高めておきましょう。

慶應義塾湘南藤沢中等部(SFC)

国語

< 傾向 > 45分 100点満点

説明文・論説文から1題、小説・物語から1題、知識問題、条件作文という出題構成が多いです。
文章題は字数が多く、しかも内容の難度も高く、小説・物語では8000字近い字数の文章量を読む問題も出題されます。きちんと読み取れているかを確認する問題を厳選して作問されています。大問4に条件作文は、100字から180字と幅があり、数行の文章に対しての意見やグラフを読み取っての意見など、様々なパターンが出題されています。


<これからの学習作戦>

  1. 読書スピードと、内容把握力の正確さが“鍵”
    難度の高い文章を早く正確に読み、解答していかなければなりません。そのため、消去法で確実に選択肢を絞る、文章の展開を把握する、心情の変化のきっかけをしっかり押さえていく、という解き方を意識して練習しておくとよいでしょう。
    難度の高い文章に対応するために、読書習慣をつけ、徐々に読書レベルを上げましょう。読解問題の中で、内容にかかわる問題だけでなく、表現や語句の意味を問う設問もあります。大問として出題されなくても確かな知識を身につけておかなければなりません。知らなかった言葉は、専用のノートを作り、書き留めておくのもよいでしょう。総合的な力を試される読解問題です。
  2. 自分を表現する
    最後に出題される条件作文は、100~180字。配点も高く、ここで作問意図に沿わない解答はできません。
    自分としての意見、提示された文章に対する反論など、毎年工夫されて出題され、決まった形式ではないため、どんな内容で出題されても書ききる文章力が必要となります。新聞の気になる記事やニュースで伝えられるコメントに対してのまとめてみるなど、常識の範囲で物事を考え、相手に「意見を伝える」練習をしておきましょう。

2024年度は、与えられている語群から、自分で言葉を3つ選択して記述していくため、同じ解答は2つとなく、個人の力量がより問われる設問だったと思います。
ある言葉から、自分なりの考えやイメージを広げる練習をすることで、毎年工夫されて出題される最後の設問を攻略するために必要な練習になるでしょう。

算数

< 傾向 > 45分 100点満点

例年、大問6題構成。問題量は少なくはないため、1問にかける時間が短いです。また、その中で「地道な作業から規則を導くような」問題が織り交ぜられており、「スピード」を前提として「手際よさ」が強く求められます。年によって、問題の難易度が異なることも1つの傾向です。


<これからの学習作戦>

  1. 規則を見つけて一般化する流れはSFCでは頻出
    数列・周期がからむ問題は頻出テーマです。設問の(1)(2)で得た情報を自分なりに加工して(3)につなげていくような流れが多いです。漠然と小問をながめるのではなく、次の設問への準備をする意識をもちながら解き進めていけると攻略しやすくなります。
  2. 調査or論証
    題意をつかんだ上で、その設問の着地点(答え)までの道筋を想定してみましょう。地道に調査していった方が良いのか、着眼点を見極めて計算していく問題であるのか、その場で決断していくことになるでしょう。制限時間との兼ね合いでそういった決断に迫られます。
    また,対称性のある図形では,部分と全体との関係をとらえると,一部分の計算を試みて全体化できます。このあたりを意識しながら、過去問を学んでみるとより効果的だと言えます。
  3. 日常そのものが「思考」の連続
    入試問題の特徴の1つとして、日常にあるものを素材にした問題が出題されたりします。「水」に関する出題が多いのは、「流水算」「水位変化」などが身近なテーマであるからでしょう。
    水かさが増し流れが速くなる(流水算)、底面積の変化による高さの推移(水位変化)など。
    日常で当たり前におこっている事象を「なぜ?」と考えてみよう。そして納得するまで調べてみましょう。そういった心がけをすることが、この学校を受験するスタートラインとなるはずです。
社会

< 傾向 > 25分 50点満点

出題数は45問前後です。
ほとんどが記号問題で、語句を答えさせる問題が2~3問程度出題されます。
例年、難問の類がほとんどなく、地理・歴史・公民のテキストレベルの基本問題が大半を占めていましたが、今年は一転、資料から分析・思考する問題が多数出題されました。
公民は司法(裁判所)、歴史は明治以降の近現代が頻出テーマです。地理は傾向が毎年変わるので注意が必要です。今年は公民分野で傾向が変化し、社会保障、内閣が出題されました。


<これからの学習作戦>

高得点勝負であることが予想されるため、基本知識をはやく正確に引き出せるようトレーニングする必要があります。また、現代社会が抱える問題点に普段から関心をもち、ニュースやインターネット,こども新聞などをチェックしておくと時事問題の対策になります。
資料の読み取り問題への対策も必須です。資料が意図していることを前提とした関連知識が問われる場合があります。長いリード文からの内容理解力も問われますので,過去問演習を通して慣れておきましょう。

理科

< 傾向 > 25分 50点満点

大問4題で4分野からほぼ均等に出題されます。25分で20問前後の設問数は、試験時間に対して問題数のやや多い入試問題となっています。
計算問題の出題もありますが、難易度は高いものではありません。
実験・観察に基づく出題が多くなっています。
見慣れないテーマの問題も見られますが、問題を読み込めば糸口となる情報は得られるつくりになっています。


<これからの学習作戦>

与えられた問題に対して条件や情報の整理を意識して、対応スピードを上げることが大切です。また、見慣れないテーマに関しては、既存の知識に置き換えて考えることで解決ができるものが多いです。
基本的な知識や考え方が数多く問われるため、設問に対して最適なアウトプットが要求されます。一方で、使う知識は基本的なものであっても普段とは違う視点での問われ方になっている問題もありますので、安易に飛びつかず慎重に答えを導く姿勢も重要です。実験や観察に基づく出題は、与えられたデータ(結果)を出題者の意図に沿って活用していく必要があるため、高い情報処理能力が求められます。
したがって、基本的な知識の習得は大前提として、様々な出題形式(聞かれ方)に対する引き出しを増やしておくことが大切になるでしょう。
受験生のレベルは高く、問題の知識レベルは基本的なものが多いため、1つのミスが命取りとなりかねません。そのため、身に付ける知識に関しては、曖昧さを排除し正確な漏れのない知識習得が必要です。

神奈川大学附属中学校

国語

< 傾向 > 50分 100点満点

大問3題の出題構成になっています。漢字の書き取りの他,説明的文章と小説が出題されています。文章読解は、記号選択問題が中心ですが、説明的文章では筆者の考えや意見、理由、語句の意味が聞かれ、小説では登場人物の心情や理由が聞かれることが多いです。
記述問題は1~2題出題されています。


<これからの学習作戦>

  1. 知識
    漢字の書き取りは、テキストの基本レベルが出題されています。日常の学習で十分に対応できます。
  2. 読解
    文章読解問題が2題で7000字前後の文章量となるので、問題集や過去問題集を使って慣れておく必要があります。内容を深く読みとらせる問題が多いので、記号選択問題を演習する際は、細部に注意をして、確認をしながら学習をしてみましょう。また、字数無制限の記述問題は長くても60字程度なので、日々のテキスト学習で正確にまとめることを意識しておきましょう。
算数

< 傾向 > 50分 100点満点

例年大問6題構成で、基本的な力が問われる1と2で全体のおよそ60%を占めています。ここでの失点をいかに防げるかが合否のポイントとなります。また、考え方(理由)の説明やグラフの作成、展開図の記入などの記述問題が、1~2問含まれることがあることが特徴のひとつです。大問では変化をとらえる力を求められることが多く、グラフを読み取る問題や移動図形の問題は頻出です。


<これからの学習作戦>

  1. 移動図形と作図
    図形の問題は毎年出題されており、特に移動図形は頻出です。変化をとらえた上で与えられた条件下のひとつひとつの図がきちんとかけるかどうかがポイントです。日頃からノートを使って丁寧に作図をすることを心掛ける必要があります。
  2. 変化をとらえる
    グラフ問題は毎年のように出題されています。速さや水量変化など、様々な分野と融合されますので注意が必要です。グラフの変化点で何が起こっているのか、その1つ1つの変化をとらえながら全体を把握していく必要があります。
  3. 考え方(理由)の記述
    理由を短い文章で記述する問題が出題されることがあります。今年は出題はありませんでしたが、この記述問題に対しては特別な対策が必要ということではなく、日頃から「なぜそうなるのか?」を考える習慣があれば十分に対応できる問題だと言えます。

入試問題全体を通して出題領域に偏りがなく、全領域からまんべんなく出題されるため、テキストの例題・類題を理解することが大切です。また日々の計算練習を通して、解法が分かる問題については計算間違いをすることなく、確実に正解する得点力を身につけておきましょう。

社会

< 傾向 > 40分 75点満点

問題量は55問前後で、知識、正誤選択、資料分析などが高いレベルで出題されています。
特に資料分析問題は毎年10問前後出題され、いずれも深い考察が必要とされ、問題のレベルが上がってきています。
地理は農産物やエネルギー供給グラフ、歴史は一つのテーマから全時代網羅型の出題、公民は日本国憲法、国会、内閣などが頻出分野で、今年は公民から予算や選挙も出題されました。


<これからの学習作戦>

十分な知識を獲得して入試に臨むことは大前提です。そして,必要に応じてアウトプットするための知識同士のつながりまで理解を深めておきましょう。その場限りの知識暗記では,思考力を必要とする問題に対応することができません。また,資料分析問題も数多く経験しておきましょう。年々、資料分析問題の質が上がっているため,資料に掲載されているデータをしっかりと読み取り、背景や考察を自分の言葉でまとめられるように練習しておくことが大切です。

理科

< 傾向 > 40分 75点満点

物理・化学・生物・地学からそれぞれ大問が1題出題され、合計で大問4題の出題構成となっています。基礎的な知識があれば答えられる問題が中心ですが、実験や観察を題材とした問題の中には、単なる知識だけでは答えられないような、思考力が問われる問題も含まれています。また、選択式問題の中には「すべて選びなさい」のような記載がなくても、複数の記号を選択しなければいけない問題が出題されているので注意が必要です。適語補充以外での記述式の問題はここ数年は出題されていません。


<これからの学習作戦>

出題範囲に偏りがないため、基礎知識を中心にすべての単元にわたって土台をしっかりと固めておくことが大切です。基礎固めには日頃取り組んでいる問題集の基本~標準レベルを中心に繰り返し演習を行うことが有効です。
また、実験や観察を題材とした1つの大問の中で、基礎知識とあわせて計算問題や思考力を試すような問題を出題する形式が多くなっています。その中には応用レベルの問題も含まれているため、基礎を固めることを最優先にしつつ、そのあとに応用・発展レベルの問題にも積極的に取り組む必要があります。

法政大学第二中学校

国語

< 傾向 > 50分 100点満点

例年、知識一般(漢字の読み書き、文法、類義など)、小説と説明的文章の長文読解2題の大問3題の出題構成になっています。
知識一般の問題は、漢字の読み書きを含め幅広く出題されています。また、文章読解問題については、記号選択問題が中心になっていて、小説では人物の気持ちや理由を聞き、説明的文章では語句の意味や傍線部の説明が多く聞かれます。
記述問題については、例年2~3題出題されていて、理由や気持ちを問う100字程度のものになっています。


<これからの学習作戦>

  1. 知識
    基本問題が多く出題されているため、普段の学習で十分に対応できますが、あらゆる単元から出題されるので、まんべんなく学習しておくことが必要であります。
  2. 読解
    1題が3000~4000字程度のボリュームの問題を2題解くことになります。長文読解の練習と過去問を演習して文章量に慣れることが必要です。選択と抜き出しが中心ですが、具体的な内容を読み取らせる問題が毎年目立っています。また、記述問題対策として、問題集や過去問題集などを使って、100字程度でまとめるトレーニングを積み上げておくことも大切です。
算数

< 傾向 > 50分 100点満点

例年、[1]は計算問題が数問、[2]は一行問題が6問程度、[3]以降は大問が4問程度出題されます。[1]は四則混合計算を基本とし、工夫の必要なものや単位の換算などが出題されています。[2]は広い分野からの基本的な問題、[3]以降の大問では難易度の高い問題を含む問題が出題されています。高得点勝負であるため、基本的な問題で確実に得点することを意識しておきましょう。


<これからの学習作戦>

  1. 規則を見つける
    大設問においては、(1)では題意をつかめば解ける問題が多く、まず調査するところからスタートします。調べてみると、例えば、「三角数」がかくれていたりして、規則把握につとめるのが(1)の役割となるでしょう。
  2. 調べた結果をわかりやすくまとめる
    (2)では(1)で調べた結果を表や図などにまとめてみると、さらに全体像がうかびあがってくるでしょう。どんな関係性があるのか調査することで、設問の背景がはっきりと見えてきたりします。
  3. 一般化された式を活用する
    (3)では(2)まででまとめた情報をもとにして、さらにその情報を加工し、新たな法則や計算方法を見出すチカラを要する場面があります。こういった流れを意識できれば、より短時間で正確に求めることができます。

大設問の各小問ごとの取り組み方を紹介しました。入試で必要となるチカラを知ることで学習の方向性が見えてくると思います。いずれも、解くプロセスを大切にすることで、整理しやすくなったり、見えていない法則の発見ができるため、答えさえわかれば良いという考えではなく、途中過程を表現できるようにしておくと良いでしょう。

社会

< 傾向 > 40分 75点満点

例年どおり、地理は地形図や雨温図など資料の読み取り,歴史は古代から現代まで幅広く出題、公民も日本国憲法の条文穴埋めや現代社会をテーマにした問題が出題されています。
記述問題については、今年は歴史に関する問題が1問出題と、従来より数が減りました。
思考系の問題もなく、基本的な知識を問うものが大半を占めています。


<これからの学習作戦>

地理・歴史・公民の知識定着が何より大切です。基本知識を小6夏期講習までにしっかり身につけましょう。
用語を漢字で書く問題が多いので,普段から正確に書けるように意識しておきましょう。
また,時事問題は出題数は少ないですが,ニュース等で情報をチェックするなど最低限の行動を取っておくことが大切です。

理科

< 傾向 > 40分 75点満点

今年は大問5問構成となりましたが(例年は6問)、小問数はこれまでと大きく変わっていません。大問2の地層の問題のボリュームが大きかったためと思われます。4分野からまんべんなく出題される傾向にあり、各分野の中でも単元の偏りは見られません。例年大問6が時事問題ですが、冒頭でも述べたように大問数が減少したため、大問5が時事問題でした。時事問題については、天体関連の出題がやや多いですが、今年は地質年代に関する出題でした。出題レベルは基礎的なものが多いですが、複合的な知識を問う問題や、計算が必要な問題もありますので、ややスピードを意識しながら解き進めていくことが必要です。


<これからの学習作戦>

バランスの良い出題のため、穴のない理科知識の習得を目指しましょう。
長文の記述問題は見られませんが、漢字指定の語句問題が多く出題されていますので、「言える」「読める」だけでなく「書ける」レベルでの知識習得が必要になります。
また、毎年出題される時事問題は、天体関連の出題が多い傾向にありますが、天体以外の出題もありますので、理科関連のニュースや出来事に常にアンテナを張っておくようにしましょう。
受験生が手こずりがちな電気回路や計算問題がテスト後半に配置されることが多く、時間配分に気を使いながら解いていかないと時間が不足するという事態に陥る可能性があります。テスト全体を見渡して時間配分をする習慣を意識しましょう。

中央大学附属横浜中学校

国語

< 傾向 > 50分 150点満点

大問は長文読解2題構成です。説明文・論説文から1題、小説・物語から1題出題されます。
漢字や語句は読解問題の中に組み込んであります。選択問題が中心ですが、40字程度の記述問題が2題から4題出題されます。
150点満点で小問が30問から40問程度しかありません。漢字や語句の問題でも3点から4点、記述問題では10点から15点と、1問の配点が非常に高いことが予想されます。
1問のミスで相当順位を下げることになります。


<これからの学習作戦>

  1. 書かれていることを正確に読み取る
    最低でも1問5点と予想される選択問題は、文章に書かれているか書かれていないかを判断するものが大半を占めています。ただし、傍線のすぐ近くにあったり傍線からかなり離れていたりするので、根気強く確認する姿勢をもち続けなければなりません。
  2. 記述問題の解答欄に引かれている太線の意味を読み解く
    40字以内の問題であれば「32マス目」に、50字以内の問題であれば「40マス目」に濃い太線が引かれています。そしてこの印は「8割ライン」を意味します。つまり、「記述問題は指定字数の8割程度は書かないと減点対象になるぞ」という中大附属横浜中学校からのメッセージに違いありません。「字数不足でも部分点がもらえればいいや」という認識では、記述問題1問で50番以上も順位を落とす危険があります。
  3. 書かれていることを正確に書き写す
    8割うめても、正確に読み取ったことを正確に書き写さなければ1問10点以上と予想される記述問題で高得点を取ることはできません。ここでも、根気強く記述問題に利用できる箇所を判断するためのねばり強さが求められます。
算数

< 傾向 > 50分 150点満点

例年、小問数は20問程度で、前半が基本問題、後半は応用問題も見られます。全体的には基本~標準レベルの問題が多いため、前半はしっかりと正解し、後半はうまく取捨選択しながら確実に正解数を増やしたいところです。


<これからの学習作戦>

  1. 基本の徹底理解
    「文章題」「割合」「速さ」「平面図形」「立体図形」などが小問集合でよく出題されます。ここは得点源としたいので,様々な分野の基礎力を身につけておきましょう。ポイントは苦手分野を作らず幅広く基本を理解しておくことです。
  2. 問題の取捨選択
    後半は標準~応用レベルの出題が見られますが、難問・奇問に分類されるような問題の出題はありません。速さ、割合、図形の移動、数論、規則性、場合の数などから幅広く出題され、50分という時間内では解き切れないことが想定される年もあります。例えば各大問の(1)(2)が解けたら(3)も解けそうなのか、(3)はいったんとばすのかということを判断しながら、正解すべき問題を確実に選択していくことが必要です。
  3. 確実に正解へ導くチカラ
    150点満点であることから、1問あたりの配点が他校と比べると高くなります。したがって、1問のミスで合否が決まる可能性があることを意識しましょう。これは、本番だけでなく、模擬試験や過去問演習など、日頃からの心構えが必要になります。
    解法が分かる問題での正解率を高めるためには、「途中式をていねいに書くこと」が必須です。途中式を要求する問題もあるため、立式しながら思考していく流れに慣れておきましょう。
社会

< 傾向 > 35分 100点満点

歴史分野・公民分野は知識を直接問う問題が一部残ってはいるものの、全体としては一問一答形式の問題は減少し、間接的な言い回しの問題が増えており、解きにくくなった印象があります。
選択肢も短文によるものが主流で、文の細部まで読まないと選択できないものが増えています。解答の仕方も、すべて答える形式のものや正誤の組み合わせを答えるものなど工夫がみられます。資料分析問題や思考型の問題、さらには計算が必要な問題もあり、全体的に難化していると言えます。


<これからの学習作戦>

地理・歴史・公民の知識定着を前提にして,資料問題や思考型の問題も練習を積み重ねる必要があります。
ただ単純に用語を覚えるだけでなく,その内容や根拠などをことばで説明できるように普段から心掛けるとよいでしょう。
選択問題の解きなおしの際に誤答の根拠をていねいに検証してみると、知識定着・説明記述の両面で対策になります。

理科

< 傾向 > 35分 100点満点

例年の出題傾向は下記の通りです。
【生命分野】   …植物・動物・人体
【物質分野】   …気体の性質・水溶液の性質を中心とした出題
【エネルギー分野】…力学、光、電気とまんべんなく出題
【地球分野】   …天体・天気・地震と、まんべんなく出題
記号・適語選択が中心で、短文記述はほとんどありません。


<これからの学習作戦>

問題の難易度はそれほど高くはなく基本的な問題が出題の中心です。問題文が長いため、ポイントになる部分がどこになるのかを意識しながら解いていくと、得点しやすくなるでしょう。
その「基本的な問題」を確実に取る学習として、「ただ覚える」ということではなく「図や表を用いて一括りに覚えていく」という学習をしていきましょう。それによって理解度もあがり、アウトプットまでの時間も短縮するでしょう。「基本的な問題」は「正解」だけで満足せずに「はやく正確に」を目標としましょう。

青山学院横浜英和中学校

国語

< 傾向 > 50分 100点満点

漢字の読み書き、語句の知識(類義語・慣用句・同音異義語)など10問と文章の文脈整序の問題、そして、説明的文章と物語文という出題構成になっています。説明的文章では内容の説明や理由、筆者の考えを問う問題を、物語文では登場人物の言動・心情の理由を中心に出題されています。記述問題は説明的文章と物語文からそれぞれ1題ずつ出題され、字数の指示がない(解答欄におさまるように解答する)問題もあります。


<これからの学習作戦>

  1. 知識
    まんべんなく出題されますが,日頃の学習で十分に対応できる問題です。テキストを活用して確実におさえておきましょう。
  2. 読解
    読解問題は記号と抜き出しが中心で難問はありません。無制限記述が出題されるため,50字前後でまとめるトレーニングをしておきましょう。なお、文を並べ替える問題に時間を費やしてしまい,長文読解に十分な時間を確保できなくなる可能性もあります。時間配分に注意しましょう。
算数

< 傾向 > 50分 100点満点

今年は[1]計算問題、小問集合[2]小問集合[3]規則性の大問[4]水量変化とグラフの大問[5]平面図形の大問という構成でした。[2]と[3]の小問集合の中には難易度が高い問題も紛れているのと、大問[5]の平面図形が解きやすく、優先する問題の選定は必須。制限時間のわりに問題数が多いため、解法が分かる問題から得点につなげていくことが合格への鍵となります。


<これからの学習作戦>

  1. 各単元の基本問題を網羅する
    6割を獲得するには、[1]、[2]の計算と一行題を得点源にしたいところです。そのために各単元の基本に該当する問題を確実に正解する力が必要になります。幅広く単元が出題されていますので、各単元のテキストの例題・類題の徹底理解を目指しましょう。
  2. 優先する問題の選定ができるように経験を積んでおく
    小問集合の中でも難易度が高い問題が出題されています。自分の得意な単元や時間をかけずに解けそうな問題を選定出来るように経験を積むことが大切です。そのために小問集合をどれだけ時間をかけていくか実際時間を決めて解くように練習すると良いでしょう。
  3. グラフを活用した「速さ」
    去年も「速さ」の問題が出ていました。今年も水量変化とグラフで速さを利用する問題が出題されました。グラフの変化から水量がどのように変化するかしっかり正確につかむために、グラフや図形などに書き込んで整理をしていくことが大切です。
  4. 平面図形の問題
    最後の大問5では平面図形(相似の利用)の問題が出題されていました。一番最後の問題だからといって難しいのではないかと思われますが、意外にも難易度は高くありませんでした。ただ平面図形はいかに答えに結び付く補助線を引けるかどうかですので、補助線を引けるように色々な図形問題で練習をしましょう。
社会

< 傾向 > 30分 50点満点

時間は30分、問題数は例年30問前後、記述2題の構成に変化はありませんが、資料分析問題が1問となる一方で、記号選択が減り用語記述が増えています。内容面では地理・歴史・公民がまんべんなく出題されます。記号選択については選択肢の文も選びにくいものもあり、また設問の文の「前置き」が長めのものも多いですが、丁寧に読めば選べるものとなっています。


<これからの学習作戦>

一問一答形式で単純に解答できる問題は減り,基本的な知識があることを前提にして「ひとひねり」考えて選択肢を選ぶ問題が増えています。まずは,基本知識を小6夏期講習までに固めた上で,選択肢問題を数多く経験しておく必要があります。また,資料を活用した問題も頻出です。過去問を活用しながら,資料の読み取り方になれておくことも大切です。

理科

< 傾向 > 30分 50点満点

全分野からの出題です。基本問題中心の出題で、所々に応用問題が入っています。記号選択もありますが、6択であったり選択肢の表現を読み解かないと正解を導けないものがあり、出題に工夫がみられます。また、問題文から受験生自身が考える思考系の問題もあり、出題内容が徐々に難しくなっています。


<これからの学習作戦>

基本事項の学習は早めに済ませ、演習中心の学習に力を入れる必要があります。少し難しい問題にも触れ、解き方に慣れることを学習の目標にするといいでしょう。また、選択問題では、選択肢の表現を読み解く練習を重ねてください。微妙な表現の違いが何なのか、過去問を解きながら考えてみることをおススメします。
物理・化学分野の計算問題の出題がありますが、基本から応用まで順序よく並んでいますので,あわてることなく問題を見極めながら解いていきましょう。

山手学院中学校

国語

< 傾向 > 50分 100点満点

説明的文章と物語文の読解2題と漢字の読み書き10問という出題構成になっています。説明文では内容の言い換えと説明する問題が出題されています。物語文では人物の言動や心情とその理由などを記号選択か抜き出し問題として出題されています。


<これからの学習作戦>

  1. 知識
    漢字テキストに登場する漢字を確実にマスターしておくことが大切です。漢字以外の知識はあまり出題されませんが、文章中に難しい語句がいくつかあるので、常に語句の意味をとらえながら読解問題に取り組みましょう。
  2. 読解
    標準レベルの問題が出題されます。選択問題がかなり多いので、正解理由と誤答理由を常に明確にしながら学習しましょう。
算数

< 傾向 > 50分 100点満点

「和と差」「割合と比」「速さ」「規則性」「場合の数」「図形」といった単元からまんべんなく出題されています。また、問題の難易度は基本~標準レベルの出題が多い印象です。小問数は20題で適量ですが、後半は正解にたどり着くまでに時間がかかる問題が多いことから、「解きづらい」と感じる受験生は少なくないと思われます。


<これからの学習作戦>

  1. 正確な計算力と偏りのない学習を
    出題単元に偏りは見られないため、どの単元も多くの解法に触れて理解を深める学習が必要になります。前半の3割程度は、短時間で正解したい基本的な問題が配置されています。後半に入ると難易度が上がり、計算も複雑になっていくので、丁寧に解く習慣を心がけたいところです。
    したがって、基本的な問題だけでなく、練習量を補完するために、テキストの練習問題にも積極的に取り組み、経験値を上げておくと良いでしょう。
    解答用紙は答えの記入のみなので、正確な計算力は不可欠です。苦手単元を作らない学習と、素早く正確な計算力を身につける学習が大切です。すべての単元をまんべんなく取り組むことを心がけましょう。
  2. 「変化」に注目
    「速さ」「水量」「図形の移動」など、「変化」に注目して解く問題は頻出で、グラフを用いた問題もよく出題されます。グラフから情報を読み取る問題や、移動した図形を作図して解く問題などは数多く練習しておくと良いでしょう。
    「出題形式」や「出題傾向」に慣れておくために、過去問研究が重要です。過去に出題されている問題を演習しながら、問題選択と時間戦略の訓練をしておきましょう。
社会

< 傾向 > 40分 80点満点

出題数45~50問程度,試験時間40分,分野別のバランス(多い順に歴史→地理→公民)、時事問題や現代社会に関する問題に絡めた出題といった点は例年通りですが、歴史は例年より範囲が狭くなり(江戸時代中心)、地理は資料グラフ読み取りの問題が出題されず、公民は日本国憲法の穴埋めが出題されないなど、よりシンプルな構成になっています。記述問題(1行程度・4問)も、標準的な学習の中で書ける程度のものとなっています。


<これからの学習作戦>

比較的,高い得点率での争いとなるため,テキストに載っている基本知識をていねいに押さえておくことが大切です。難問奇問はありませんが,語句を書かせる問題(字数指定や漢字指定あり)が多いので,日頃から用語を正確に書けるようにしておきましょう。時事問題も出題されるので対策が必要です。

理科

< 傾向 > 40分 80点満点

生物・物理・化学・地学からまんべんなく出題されます。難易度的には、基礎的なものが多くクセのない問題と言えます。計算問題の出題もありますが、出題数・難易度ともに控え目です。物理の分野では、実験をからめた形式での出題もあります。


<これからの学習作戦>

基礎レベルの出題が多い上に、選択式の問題が大半を占めるため、知識をしっかりと身に付けることが最大の対策となります。ただ、「基礎レベルが多い」ことは「準備の差が大きく出る」ことになるため,反復練習しながら正確な知識を獲得しておく必要があります。
 本年度の入試では、計算問題が多めになり根気よく計算する練習が必要となります。また、作図を利用する問題の練習も必要となります。

日本大学中学校

国語

< 傾向 > 50分 100点満点

大問4題で計35問の問題構成になっています。今年は、詩の出題がありませんでした。大問4題は、知識一般が1題、小説・物語から1題、説明文・論説文、随筆から2題となっています。文章は約1500~2000字程度の短いものでしたが、今年は3000字程度の文章を採用しました。設問は選択と抜き出しが中心で、40字以内の記述問題が2問出題されます。


<これからの学習作戦>

  1. 知識
    基本問題が中心ですが、さまざまな単元から出題されているので、幅広く学習をしておく必要があります。
  2. 読解
    全体の設問数が多いため、素早い答案処理能力を身につけておきましょう。また、記述問題に関しては、35字以上40字以内と細かく制限されているので、普段の記述問題の学習で制限字数ぎりぎりでまとめることを意識して取り組む必要があります。
算数

< 傾向 > 50分 100点満点

例年、[1]で一行問題から始まり、[2]以降は大問の構成です。一行問題でも、原理・原則を捉えて解く問題が出題されます。図形については、平面図形、立体図形ともに頻出です。回転図形や空間認識力を問う思考力を必要とする問題も出題されています。


<これからの学習作戦>

  1. 頻出の図形領域を鍛える
    図形問題は典型図形を身につけておく必要があります。典型図形とは、図形分野を学習するにあたって、はじめに登場する図形のことです。テキストの例題・類題がこれに該当します。
    典型的な図形に見慣れることで、複合図形(さまざまな図が組み合わさった問題)への対応力が身につきます。下記の単元は特に意識して学習しておきましょう。
    ・角度
    ・平面図形の面積比・相似比
    ・図形の平行移動、回転移動
    ・回転体、立体の切断
    ・体積・容積
  2. 幅広く学習する
    [1]で出題される単元は幅広く、さまざまな学校が出題する一行問題に触れておくことが対策につながります。経験値を積みながら、基本的な解法の確認をしていきましょう。あらゆる分野の「浅く広い」知識を獲得しながら、苦手な分野を出来る限り減らしておくことが大切です。
    基本的な解法の確認というのは、たとえば、和・差・積・商のどれに着目するかを学ぶことです。
  3. 計算力
    図形や文章題において、a×b+a×c=a×(b+c)などの、分配法則とその逆を利用する「計算の工夫」などが自然に使えるよう、早く正確に処理できる計算力が大切です。
社会

< 傾向 > 理科と合わせて60分 50点満点

地理・歴史・公民の総合的な出題で,それぞれがつながり(関連)を持った出題です。年によって出題傾向が変化しますが,地形図の読み取りが出ている点や、問題量30問前後,記述は2題といった部分は例年通りです。冒頭に計算問題が出ていた以外は資料分析や思考系の問題もなく、図資料も地理分野のみと、全体的にシンプルなつくりの問題となっています。


<これからの学習作戦>

まずは地理・歴史・公民の基本知識がスムーズに出てくるように練習を積み重ねることが大切です。そのうえで,日頃からニュースやインターネット,こども新聞をよく読み,何が世の中で話題になっているかをおさえておく必要があるでしょう。そして,その話題に対してどんな問題が出されるかを想定してノートにまとめたりするのもよいトレーニングになるでしょう。

理科

< 傾向 > 社会と合わせて60分 50点満点

年により文章量の差はありますが,解きやすい標準的な問題が多く出題されます。普段からテキストに掲載されている基本の完全理解を目指せば,合格点を獲得できるレベルです。
本年度の入試では、観察・実験の考察からの出題や会話文からの出題があり、文章を読む速さ、文章理解の正確さが必要となりました。


<これからの学習作戦>

難易度は高くないので、基本的な問題の反復を心がけることが大切です。問題文中にヒントとなる文や資料があるので、見落としをしないよう集中して取り組めば得点できます。
年によって,文章量が多い出題があり,かなりの時間を要する可能性があります。過去問を活用して,量とスピードのバランスをはかっておきましょう。

関東学院中学校

国語

< 傾向 > 50分 100点満点

例年、小説と論説(随筆文)の長文読解2題の出題構成になっており,50字前後の記述問題が2~3題出題されます。漢字の書き取りや語句に関する知識問題は、長文読解問題の中に含まれて出題されます。問題内容は、記号選択問題が中心になっていて、小説は登場人物の心情やその理由を、論説(随筆文)では内容説明が出題されています。
一つのテーマについて自分の意見を50字以内で書く記述問題が1題出題される場合もあります。


<これからの学習作戦>

  1. 知識
    日頃から継続した漢字学習が大切になってきます。漢字以外の知識問題はあまり出題されませんが、文章中に難しい語句がいくつかあるので、常に語句の意味をとらえながら読解問題に取り組むようにしましょう。
  2. 読解
    レベルとしては標準レベルなので、普段学習をしているテキストをしっかり取り組むことが大切です。具体的な内容を読み取る選択問題と、理由をまとめる記述問題の克服が最重要課題となります。まちがえた問題のふり返りをていねいに進める姿勢をもちましょう。
算数

< 傾向 > 50分 100点満点

例年、全体的に基本を重視した出題内容。一度は触れたことのある問題が出題の対象になっています。大問8題で構成、計算問題は4問程度、文章問題は、数の性質、図形の角度や求積、規則性、場合の数、条件整理などがよく出題される分野になっています。いずれも基本問題を身に付けておくことが合格につながります。


<これからの学習作戦>

  1. 速く正確な計算力をつける
    四則計算、逆算、単位換算などの計算問題が出題されています。普段の勉強で時間を意識した計算練習を心がけ、「短時間で正確に」を目標に練習を重ねることが重要です。また、単位換算は数多くの問題に触れていく中で、徐々に身につけていく感覚で学びましょう。
    「時間」「工夫」「訓練」がキーワードです。
  2. 基本に忠実な勉強を心がける
    テキストの例題、類題にある典型問題を確実に理解しておきましょう。単元にかたよらず、浅く広くを意識して、苦手な分野をできるだけ減らしておくことが大切です。算数は、「正解」=「理解」というわけではありません。問題の解法を他者に説明できるレベルになったとき、深く理解できたということになります。
  3. 問題を見極めるチカラ
    少なめの問題数の中で、難易度が高い設問が所々に見られます。その問題で合否が決まるわけではありませんので、得点できる問題を選びながら進めていく必要があります。すぐに解法がわからない問題があれば、一旦回避して、他の「答えまで導いた問題」で確実に得点できているか点検(見直し)することも1つの作戦でしょう。
社会

< 傾向 > 30分 60点満点

定番になっていた「神奈川県にまつわる地理・歴史の問題」ですが、今年は出題されませんでした。全体の構成も歴史・地理・時事問題の大問3題で、国内の政治経済については出題がなく、歴史分野が約半数を占める形となっています。記述問題は歴史の1題、思考問題もリード文から考えるものが2題のみで、全体としてシンプルなものとなっています。


<これからの学習作戦>

標準的なレベルの問題が大半ですので、地理・歴史・公民の基本知識を着実におさえ,問題文をていねいに読みながらキーワードをつかむ練習が必要になるでしょう。また,日頃の学習でも,新たな発見があればテキストやノートにまとめてみるなどの行動が必要です。時事問題も出題されるので,新しい知識や疑問点などをまとめることも対策につながります。

理科

< 傾向 > 30分 60点満点

普段の学習でよく見かける実験器具や観察結果などが示され、答えを導く問題形式になっています。全体的に問題の難易度は高くありません。計算問題の出題も数問あります。


<これからの学習作戦>

全体的に基本問題を確実に学習していくことが大切です。難問に挑戦するより基本問題の徹底演習を行う方がいいでしょう。また、実験の結果をもとに問題を解く形式や,観察の結果をもとに考察する問題も出題されます。過去問などを活用して,こういった形式の問題に慣れておく必要があります。
本年度の入試は、記述問題が4問出題されており、記述問題への対応も必要となります。

湘南学園中学校

国語

< 傾向 > 50分 150点満点

漢字の書き取り10問、熟語・語句の知識10問、説明文・論説文の読解15問から20問、小説・物語の読解15問から20問、このような出題形式は毎年ほとんど変わりありません。
漢字や語句は読解問題の中にも組み込まれているので、150点満点中30点から40点は知識問題ということになります。


<これからの学習作戦>

  1. 合格者最低点が8割を超えることがある
    4科(500点満点)で400点以上、2科(300点満点)で240点以上得点しないと合格できない年があるほど、合格のためには高得点をとらなければならないのが湘南学園中学校の入試問題です。ただし、単に基礎を固めるという抽象的な対策では高得点は望めません。
  2. 国語の入試問題で要求されているのは「文脈」を読み取る力
    言葉と言葉のつながり、文と文のつながり、つまり文脈を読み取ることに重点をおいて入試問題を作成しているように思われます。したがって、問いの答えも傍線や空欄の前後をきちんと読み取れば導き出せるものが多くをしめています。しかし、大前提として文章全体の流れをつかんでおかなければなりません。
  3. 指示語と接続語に着目して文章の流れをつかむ
    湘南学園中学校の国語の入試問題で毎年のように出題されるのが指示語と接続語の問題です。指示語と接続語の問題が多いということは、すなわち文章全体の流れをおさえているかを問われているということです。常日ごろから、文中の「それ」とは何を指しているのか、どうしてここに「しかし」が使われているのか、というように、指示語と接続語に着目しながら文章を読み進める心がけが高得点に結びつきます。
算数

< 傾向 > 50分 150点満点

全部で大問が6問で、例年[1]計算問題、[2]小問集合、[3]~[6]大問という構成です。グラフの読み取り問題は頻出です。今年は、[5]、[6]は、例年よりは、ひとひねりある問題でした。特に[6]の(3)は、問題設定の作業を地道に書いて確認する地道力が必要でしたが、最後の最後での問題でしたので、時間に余裕がないと、終らなかった、または、手をつけなかった受験生も多くいたのではないかと思います。


<これからの学習作戦>

  1. 一行問題対応力
    [2]の一行問題は、平均・濃度・図形(角度)・速さ・割合・約数・仕事算などと幅広く出題されています。ここで確実に得点できるように、幅広く基礎固めをしておくことが大切です。
    日頃使用しているテキストの基本問題をくり返し演習していくことで定着を図ることができます。「浅く広く」さまざま単元の解法を常にチェックしておきましょう。テストで正答率の高い問題でのミスをふり返ることも有効です。
  2. 出題傾向に沿った対策
    例年、[3]は平面図形、[4]は立体図形、[5]はグラフ問題、[6]は数論が出題されています。単元傾向がはっきりとしているため、これらの単元を意識して学習に取り組みましょう。
    特に平面図形は、求積や角度、相似など幅広く出題されます。典型図形(テキストの例題レベル)の解法を獲得した上で、数多くの問題に触れながら慣れておきましょう。また、グラフは速さ、水量変化、点の移動などの分野と融合されるものです。グラフの変化点で何が起こっているのかを考えながら解き進めていきましょう。
  3. 調べて整理するチカラ
    [6]数論分野からの出題は、調査しながら規則を見つけていく問題が出題されています。題意をつかんだ上で、(1)の設問から順に調べていきましょう。調査結果を自分なりにまとめていくことで、(2)以降の見通しがつくはずです。
社会

< 傾向 > 40分 100点満点

出題数は60問前後と多めで、地理・歴史・公民がまんべんなく出題されています。地理が雨温図,農産物上位県の表,都道府県の場所を問う問題、歴史はすべての時代をまとめて出題、公民は統計グラフが例年出題されています。また,現代社会に対する意見記述問題も出題されます。


<これからの学習作戦>

全体的に難問・奇問の出題はほとんどなく,事柄を素直に解答する問題が多く出題されています。まずは,テキストレベルの基本知識をひと通り学習し,その上で,一問一答形式の問題に即答できるレベルまで引き上げておくことが合格への近道です。記述や資料問題も,標準的な問題集のものをこなして「よくあるパターン」に慣れておくことで対応できます。記述問題に関しては,日々の時事ニュースに対して自分の意見,考えを文章でまとめる訓練をするとよいでしょう。

理科

< 傾向 > 40分 100点満点

大問1は全分野からの小問集合で10問出題,大問2以降は4分野から1題ずつの出題になっています。基本問題が中心とはいえ、40問を40分で対応する必要があり、知識問題は即答していく必要があります。また、「まちがっている」ものを選ぶ問題が出題されるので設問をきちんと読む必要があります。本年の入試は難易度が若干上がっているようです。基本問題が中心ではありますが、難問への対応も必要となりそうです。


<これからの学習作戦>

浅く広い知識の習得を目指しましょう。選択問題での対応が多いですが、一問一答形式の問題を繰り返し練習して、確実な知識を身に付けましょう。
得点率75%を目安に考えると、不得意な単元は極力なくすように考えて、スピーディーに基本問題で得点を重ねていくことが大切になります。知識分野は小6夏までの完成を目指し,入試直前期に過去問を活用しながら,物理・化学分野の補強をすると良いでしょう。

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