神経には、体を動かすはたらきの運動神経と痛みなどを感じる感覚神経があります。それらのうち体の内臓や血管などを調せつして体のはたらきを一定にする神経をとくに自律神経といいます。この神経の特ちょうは、自分で考えなくても、自動的にはたらいてくれるというところにあります。たとえば、夜ねているあいだ、息をしようととくに考えなくても自然に息をしています。また運動して体温が上がったときに、あせをかいたりして体温を一定にたもつのもこの神経のはたらきです。
そして、この自律神経は、反対のはたらきをもつ2つの神経でつくられています。それが、交感神経と副交感神経です。交感神経がはたらくと体がきん張し、副交感神経がはたらくと気もちが落ちついてきます。
ところで、目がさめているときは、まわりのようすに対応して動く必要があります。このとき交感神経がはたらき、全身のきん肉に酸素や栄養を送りとどけています。その分、胃腸や皮ふなどへ送られる酸素や養分はへることになります。また、ねているときには、体をじゅうぶんに休めるために副交感神経がはたらきます。この場合は、血圧が下がって心臓の動く回数もへり、胃腸や皮ふにもたくさんの栄養や酸素が送られることによって、つかれた体が回復していくしくみになっているのです。
このようにして、交感神経と副交感神経はおよそ12時間交代でかわるがわるにはたらきますが、心配なことがあったり、 夜おそくまで起きていたりすると、自律神経失調症という心の病気にかかることもあります。
ですから、規則正しく生活をおくることは、体と心の健康をたもつために必要なことだといえるわけですね。