雲は、水や氷のつぶからできていますが、その中で空気がはげしく動くと、摩擦により、水や氷のつぶが電気をもちはじめます(静電気といいます)。やがて、雲の上の方にはプラスの電気、下の方にはマイナスの電気がたまります。そうするうちに、今度は地面にプラスの電気がたまっていきます。
ところで、空気はふつう電気を通しませんが、たまった電気の量が多くなると、電流を流そうとするはたらき(電圧といいます)も大きくなり、ついには雲と地面の間にいっしゅんに電流が流れます。これこそが雷の正体です。
雷が光るとき、空中に数十センチのはばの電気の通り道ができ、そこにはとても大きな電流が流れます。通り道の温度は数万℃にもなるので、熱くなったまわりの空気は一気にふくらみます。そしてその後、外側から冷たい空気が勢いきおいよく入りこんできますが、そのときの空気のふるえは周囲に伝わっていきます。
その結果、雷の落ちた場所が近いと、しょうげきにより大きな音が「バーン」とひびき、遠くに落ちた雷の音は「ゴロゴロ」と聞こえることになります。
「紙鉄砲」というおもちゃがありますが、このおもちゃは雷と同じしくみで音を出します。 長いつつの両がわに、ぬらして丸めた紙の玉をつめ、ぼうで勢いよく押おしこむと「パーン」と音がして、反対側から、紙の玉が飛び出します。ぼうを押しこんだとき、玉の間の空気が押されますが、初めは玉が動かないので、空気はどんどんおしつぶされます。そして最後には、ちぢんだ空気が一気にひろがり、まわりの空気をふるわせて大きな音を出すわけです。音があるところには、かならずふるえ(振動といいます)がある、ということですね。