宇宙の物質はすべて原子が集まってできています。(Q08.を見てみよう)
それらの原子の種類を元素といい、もっとも軽い(そして宇宙でもっとも多い)水素をはじめ全部で111種類が確認されています。
ところで、「元素」ということば自体は、古代から「物質の大元」という意味で使われていました。たとえば紀元前のギリシャでは、アリストテレスという人が「世界は水・土・空気・火の4つの元素からできている」という説をとなえていました。 あらゆる物質は、これらの元素がいろいろと形を変えたり組み合わせたりすることで作られていると考えたわけです。
中世になると、東洋でも西洋でも「錬金術」が流行しました。これは「かんたんに手に入る金属を高価な金に変えてしまおう」というこころみです。
じっさいには、金はほかの物質が結びついてできているわけではないので、錬金術はすべて失敗に終わりました。しかし、金を作りだそうとしてさまざまな実験を行ったおかげで、科学が発達したという面もあります。
さて、現在のように、原子の種類という意味で「元素」ということばが使われ始めたのは18世紀のことです。
フランスのラボアジエは、1789年に33種類の元素表を発表しました。その中には「熱素」や「光」など、今では元素とは考えられないものもふくまれていますが、その他は今の元素と同じものです。
その後、ラボアジエは、フランス革命に巻きこまれ死刑になりましたが、もし長生きをしていたらもっとたくさんの元素を発見したかもしれません。
当時は、物質に熱や電気を加えて分解することで元素を探していましたが、このような方法を続けることで19世紀後半までに、64種類の元素を発見することができました。
そのころ、ロシアのメンデレーエフは、それまでに発見された元素を小さいものから順にならべると、物質の性質に一定の規則があることに気づき、それらを「周期表」として発表しました。この考えは初めは信じられていませんでしたが、「周期表」の規則通りに、ゲルマニウムやガリウムが発見されました。
すると今度は、「周期表」のあいているところには当てはまる元素があるはずだ、という考えから、元素探しが始まり、1940年ごろまでに自然界にある92種類の元素がすべて発見されました。(92番目は元素の中でもっとも重いウランです)
その後も新しい元素が発見されていますが、これらはすべて原子どうしを高速でしょうとつさせるなどして人工的に作りだしたものです。
2004年には、日本の理化学研究所が113番目の元素を発見したと発表しました。
その元素は、加速器というそう置の中で作られましたが、わずか10000分の3秒という短い時間の間にこわれてしまいました。 それでも、もしこれが新しい元素として認められると、日本で見つかった初めての元素として周期表にのることになります。(「ジャポニウム」という名前が候補としてあげられています)
加速器についてホームページで調べてみよう。