ヒトの体の形には、どんなとくちょうがあるでしょうか?
体の左右は同じ形(対称といいます)ですが、前と後ろにはちがいがあります。 また、頭には、目や鼻や耳といったもの(感覚器官といいます)が集中しています。 こういった形は、長い時間をかけて進化する間につくられてきました。
ヒトの祖先をさかのぼるとナメクジウオの仲間になると考えられています。 さらにさかのぼると、海にただよう目に見えないほど小さな生き物だったはずです。 そのころは、クラゲのようにただようだけで、自分でえさを探さなくても、 むこうから流れてくる他の生き物をえさにしていればよかったはずです。 ところが、ライバルが増えてくると、すばやくおよぐために体は細長くなり、 えさをさがして食べるために頭に目や口が発達した生き物が競争 に勝ちのこりおおいに栄えたことでしょう。 このとき、うまく泳ぐためには、体のかたちを左右対称にする必要があったはずです。
さらに長い時間がたつうちに、敵からのがれ、えさをすばやく見つけるために鼻や耳ができ、 また、その情報を処理 するために脳が発達してきました。 やがて、その一部は陸上に進出し、そのとき、泳ぐためのひれは歩いて移動するための手足に変化していきました。
ですから、今のみなさんの体の形のおおもとは、はるか遠い昔につくられ、 長い年月をかけて、環境に合わせて生き残りやすい形へと変化してきたわけですね。
※国立科学博物館のホームページの右上にある検索らんで「ナメクジウオ」を検索して、 みなさんの遠い祖先の仲間に会ってみましょう。