Q16.の「台風はどうして発生するのですか?」で台風にはコリオリの力というものがはたらいて、 そのために左回りに風がふくことを説明しました。南の海上で発生したばかりの台風が北へ向かいはじめるのも、コリオリの力で説明することができます。
コリオリの力はそもそも地球が自転していることではたらく力です。たとえば、大きな円盤があり、そのまん中とはじに人が立ち、むかいあってキャッチボールをするようすを 想像してみてください。その円盤を時計の針はりと逆向ぎゃくむきに回し始めると、相手あいてをねらって投なげたはずのボールは 右側にそれてしまいます。地球の自転も時計と逆向きなので、地球の北半球でふく風は右側にそれていく性質があります。
台風の北側では南西に向かう風がふいていますが、コリオリの力で西向きに曲げられます。それにたいして、台風の南側で北東に向かってふく風の向きはあまり変わりません。これはコリオリの力は赤道ふきんよりも北に行くほど強くなるからです。このため台風には北へおす力がはたらくので、だんだんと北へ進んでいくことになります。
台風の中には貿易風(東から西に向かってふく風)で西に流されるものも多いのですが、日本ふきんに近づくと今度は、高気圧や偏西風(西から東へ向かってふく風)のはたらきで、スピードを上げながら東に流されていきます。