問題概要
2018年度の翠嵐高校の特色検査の問題は、全体的に見ると大問が3問になり、また選択問題の割合も多かったので少し易化傾向になった感はあり(実際に平均点は少し上昇)ますが、その選択問題も、選択肢から適切なものを「すべて」選ばないと得点がもらえない問題も多く、さらには課題1の設問4の選択問題では「選択肢がすべて英語」であるなど、選択問題だから簡単であるとは言えないものでした。
まったく手が出ないという問題はないように感じますが、一方、これは確実に取れる簡単な問題も少ないという印象でした。
問題傾向分析
課題1の設問1の問1、問題2、問題3、設問3、課題3の設問1、設問2の合計6問(全部で13問中)が理系の問題ですが、他の横断型で見られるような桁数が多い人口密度や割合を計算するような計算力を問うような問題は1問もなく、リード分をしっかり読み取る「読解力」、条件を整理し推理する「整理・推理・判断力」、そして、最後に文章や図を使って説明をする「記述力」を必要とするものでした。
翠嵐高校は、理系の知識を要する問題にも関わらず、かなりの「読解力」と、与えられた条件から問題を推理する「論理推理力」の2つを見ても、試される力は文系的傾向となっています。
課題1では「フールプルーフ(エラー発生前の事故防止策)」と「フェイルプルーフ((故障や事故が発生した後の対応策))の反する2面性を意識しながら解いていきます。
課題3では、生物の3つの型のC(競争型)、S(ストレス耐性型)、R(撹乱適応型)の3つのタイプが記載されていますが、リード文の中ではC、S、Rと省略されて、しかも繰り返し出てきますので、この部分はどの型を指しているのかを意識して読むことが必要です。
この問題は理科の知識を問われるというよりは、習ってきた理科的知識の上に、理科考察、推理を用いて解くことが必要になります。
ここまでで述べましたように、翠嵐高校の特色検査を分析してみると、今回の問題は理系問題文系問題という境界線はないと言っても過言ではないでしょう。
次年度が必ずそうなるとは断言できませんが、例年の問題を見ても「読解力」「論理推理力」重視の傾向があります。
数学や理科がかなり得意で理系の偏差値が70のような受験生がまったく歯が立たないケースも考えられますし、逆に理系問題は苦手な受験生でも、きちんと読んでしっかり考えれば解ける可能性も多いにありえます。
普段から「どうしてそうなるのかをしっかり考え」「また曖昧に説明できるのではなく、きちんと論理的に説明しきる」というごまかしのない問題の本質まで掘り下げた学習習慣を心がけて準備をしていきましょう。
分析担当:石渡先生