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自分に合った参考書・塾を選ぶポイント
高校受験の対策では、理科の勉強はどうしたらいいかな?どんな参考書がいいんだろう?どんな塾なら成績が上がるんだろう?
と悩んでいる人。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
1. 参考書の選び方
理科の学校の教科書の場合は、例えば実験の手順は書かれていても、そこからの考察部分が「考えてみよう」的な終わり方をして、ポイントが最後まで書かれていないこともあります。
学校の授業を前提としているのでしかたがないのですが、自習や予習をする際には困りますね。
そんなときに参考書であれば実験でわかることや考察まで、学習のポイントがきちんと示されているので、重宝するでしょう。
ただ理科の参考書の場合、おおむね4つのタイプに分かれます(筆者しらべ)。それぞれの参考書の特性を理解して購入しないと、「なんか違うんだよな…」という結果になってしまいます。実際の参考書を紹介しながら解説しますので、自分に合った参考書を探してみてください。
2. 理科の参考書タイプ
①事典タイプ
理科って、自習を進めれば進めるほど疑問が湧いてくるものです。
その疑問に答えてくれるのがこの辞書タイプの参考書です。どちらかと言えば、理科が得意、というか勉強自体がそれほど嫌いではない生徒におすすめしたい参考書です。
学習指導要項の指導範囲を超えて、少し高度なことまで書かれているものがよいでしょう。
中学 自由自在 理科 : 中学生向け参考書/基礎から難関校受験(入試)まで (受験研究社)
図でわかる中学理科 2分野[生物・地学]改訂新版 (未来を切り開く学力シリーズ)
くわしい 中1理科 (中学くわしい)
個人的には「SUPER理科事典」(受験研究社)をおすすめしたいのですが、日頃から読み物として事典を読む習慣がある生徒でないと、宝の持ち腐れになってしまうので、あなた自身(あるいはお子さんが)の学習への姿勢をよく考えて購入しましょう。
なぜなら、分厚いし、7,000円前後します。ただ、それだけの価値はあります!
スーパー理科事典 五訂版: 知りたいことがなんでも分かる!
なお、学研からも類書が出ていますが購入に際しての注意点は同じで、自分に合っているかを実店舗で本を手に取って、ぜび中身を見て決めてくださいね。
これらの事典タイプは1分野、2分野問わず、図版を多用してそれはそれは細かく説明してくれています。
テストとは関係なく、一般教養として読んでいくのも面白いです。
②問題演習タイプ
「高校入試合格BON!」(学研教育出版)に代表されるような問題集タイプの参考書です。一つ一つの単元に用意された問題量はそれほど多くない。とはいえ、ただ数をこなせばよいというものではなく、しっかり解いて、答え合わせをし、間違えた問題はなぜ間違えたのか原因を探り、しっかり自分の中で理解する、そうした丁寧な解き方をすることで、このタイプの問題集は学習効果を発揮するでしょう。
志望校の偏差値の上下を問わず、理科が苦手という生徒にはこのタイプの問題集で無駄なく学び、成績を上げていって欲しいですね。
わかるまとめとよく出る問題で合格力が上がる 理科 (高校入試 合格BON!)
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頻出問題が載っているので、重要なポイントに絞って演習できるのが利点。
「実力アップ問題集」(文英堂)なども類書。
実力アップ問題集 中1理科 (中学実力アップ問題集)
③変則タイプ
タイプ分けのネーミングが適切かどうかは自信ありませんが、とりあえず「変則」というくくりでまとめます。
理科が苦手でしょうがないという生徒向けに、マンガでの説明、シンプルな紙面構成、動画を見ながら音楽に載せて重要事項を暗記するといったあの手この手で取っ付きやすく工夫された参考書です。
内容は基本的なことばかりなので、理科が得意な子には物足りないところもあります。
でも、対象は理科が苦手な子ですので、こうした参考書をきっかけに基礎事項をマスターし、そこから成績が伸せた!というふうになることも十分に考えられます。
むしろ、理科を身近に感じながら学習できる、こうした参考書のニーズは今後も大きくなるかもしれません。
理科 天体・気象 新装版 (中学入試まんが攻略BON!)
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④教科書ガイドタイプ
そのまま教科書の「ガイド」です。
冒頭にも書きましたが、教科書は実験の結論までは書かれていないことがあります。
でも定期テストではその実験の目的や結果から何がわかるか、ということまで問われたりします。
もちろん学校で実験を行った上での出題なので、授業での実験をまじめにやり、実体験を通して考察して学ぶことができれば一番よいのですが、さまざまな事情で実験がうまくいかなかったり、望ましい結果がでなくてきちんと考察できないこともあるでしょう。
そんなときに手っ取り早い参考書と言えば、やはり教科書ガイドです。
ここまでは主に塾に通っていない生徒に向けての話でした。
塾に通っている生徒にむけては、どういった参考書がよいのか、といこうことですが、理科が好きなら①の事典タイプはあってもよいでしょう。
成績アップのためのものというよりは、読み物として。
②③④のタイプについては、塾に通っている生徒には思い切って言えば「不要」です。
理由は、すでにテキストがたくさんあるから、です。
学校の教科書、学校の教科書準拠のワーク、塾の主教材、塾の定期テスト用の教材などやはり手元にはたくさんの教材がありますよね。
まずはそれらを使いこなすことが重要です。
3. ノート作りについて
ノートにまとめなおすことは、確実に「手を動かし」て、「頭を使う」から意味があるんですね。ノートに自分の思考を見える化して「頭の中で再現してイメージを膨らませる」過程が脳を働かせるため、効果的に学習できるんです。
ポイントは自分の考えを自分の言葉や図にして書いてみることです。
デジタルのテキストに触れたり、キーボードでタイピングすることが当たり前になってきたこの時代でも、ノートとペンで頭の中を整理する、と公言するトップエグゼクティブ(成功している経営者)もいます。「ノート術」と題してどう書くか?を論じている書籍もあるので、興味があったら調べてみてくださいね。
そこに資料集の内容もところどころ盛り込みながらノートを作れば、それはもうノートではなく自分だけのオリジナル教科書になります。
実際、成績のよい生徒のノートはきれいだし、要点がすっきりまとまっています。
また、必要な資料が上手に切り貼りされています。
ここで1つだけ気をつけなければいけないのは、ノート作りは目的ではない、ということです。
充実したノートを作ろうとするあまりやたらと資料の切り貼りをしたり、色使いを派手にしたり、登場人物の似顔絵を書くのに1時間かけたりする生徒がいます。
そういう子の共通点は「長続きしない」こと。力尽きてしまうんです。
ノート作りは教科書の内容を頭にいれるための「手段」です。くれぐれも本末転倒にならないようにしましょう。
4. 塾の選び方
理科も専門家かどうかで授業の質が大きく異なる科目の1つです。
やはり体験して、授業の良し悪しを確かめましょう。
わかりやすく、かつ、要点を絞った説明がなされているかどうか。
理解を助けるための興味深い話がところどころに出てくる、といった授業であれば最高です。
また、近隣の中学校の進度を意識しているか(少し先を行く形が理想)も重要です。
偏差値のものすごく高い私立難関高校を目指すコースは別ですが、地元の公立高校を目指す生徒には、学校の成績も重要。
つまりテスト対策が重要なので、学校の進度を無視して授業をしていては、成績向上が期待できません。
まして理科の場合は、1分野か2分野かで全く内容が異なりますので、通っている中学校で1分野を扱っているときに、その塾でも同じ分野の授業をしているか?はよく見ておきたいところです。
近隣中学の定期テストの過去問がしっかり回収してあり、授業に生かされているかどうか、テストを意識したプリントや問題集が配備されているか、という点も生徒のテスト結果にダイレクトに影響しますので、しっかり確かめておきましょう。
過去問を編集して対策問題集を完備している塾なら心強いですね。
また、社会ほどではないにしろ、暗記項目も理科にはあります。
語呂合わせではありませんが、その塾オリジナルの暗記法を持っている塾は、授業全体も面白いことが多いですよ。