2017年1月実施のセンター試験は以下のような内容でした。
1.英語
問題形式は昨年と同様。
やや易化。
ポイントは第5問。
昨年から復活した物語文。
英文自体は難しくはない。
夢の中で猫になるという話で、文中のイタリック体のIが猫になった自分からみた「自分」であることに気づけるかどうかが文章の把握、正解への到達に影響したであろう。
2.国語
問題形式は昨年とほぼ同様。
難化。
ポイントは第②問と第4問。
第2問の小説が100年以上前の文章からの出題。
漢字の使い方・言い回しが古くやや読みづらい。
設問も出題文全体を対象としているものもあり、生徒によってはかなりの時間を要したと思われる。
第4問の漢文が江戸時代の新井白石の文。日本の漢文からの出題は稀。
3.数学ⅠA
問題形式は昨年と同様。
やや易化。
ポイントは第3問と第4問。
第3問で「背反な事象の和事象」について出題。
ベン図で考えたくもなるが、実は現れる事象は同確率の6パターンしかないため、そのまま書き出して問題文と照らし合わせれば決して難しくはない。
ただしあまり見ない形式のため、混乱した生徒も少なくないと思われる。
第4問で「約数の積を2進数であらわす」という珍しいパターンの出題があった。
2進数の「0」の意味を理解しており、2の倍数と4の倍数を区別して計算できないと正解にはたどり着けない。
4.数学ⅡB
問題形式は昨年と同様。
やや易化。
ポイントは第3問。
数列に判別式・対数を絡めての出題。
幅広い範囲の習得が求められる。
数列の和を求める問題は誘導があるものの、計算がやや複雑で時間を取られた生徒も多かったであろう。
5.地歴・公民
各科目とも問題形式に大きな変化は無し。
日本史がやや難化。
倫政がやや易化。
日本史Aに妖怪ウォッチのキャラクターが登場。
4人(?)の妖怪が受験生の勉強の行き届きづらい最近50年の時代背景の象徴として扱われており、その見た目とは裏腹に答えづらい問題であった。
6.理科
各科目とも問題形式に大きな変化は無し。
生物基礎と地学がやや易化。
物理で熱力学が必答問題になったので、苦手な生徒は戸惑ったであろう。
理科に限ったことではないが、センター試験は幅広い範囲からの出題となるので苦手分野を作らないようにしたい。