2025年度中学受験 算数入試問題 総括

【総論】着実に学力を育んできた受験生が報われる「良問」揃い

2025年度の中学入試が終了しました。
2023年にピークを迎えた首都圏の中学受験者数は2年連続で減少し、2025年は52,000名ほどになっておりますが、中学受験率は18%ほどと依然として高水準を保っております。

本年度も算数の中学入試問題をふり返り、子どもたちのどんなチカラが要求されているのかを知ることで、指導者としても算数が問う本質に少しでも近づきたいと考えております。
2025年度の算数入試問題をふり返ってみたいと思います。

昨年は「誠実な問題」と表現しました。
それは、「特別な知識を持ち合わせていなければ時間内に処理ができない問題」の激減を意味しておりました。
引き続きその傾向は多くの学校で見受けられましたが、本年度の特徴として、特に神奈川県内の主要私学においてよく出題された単元が2つあります。

※算数教務では、単元を6つ(数論・割合・速さ・文章題・図形・計算)に分類しています。
そして、大問ごとに出題分野を判定して出題頻度を算出しています。
対象:神奈川県内主要私学23校

「切断」「影」「反射」の問題が例年よりも多く出題

1つは「図形」です。
図形の出題頻度は26.9%でした。
「図形」は、大きく平面図形と立体図形に分類されます。

以前より図形分野は出題頻度の高い分野でしたが、本年度は特に「切断」「影」「反射」の問題が例年よりも多く出題されたと感じています。
これらの単元は、基本的な解法(定石)を身につけた上で、「平面⇔立体」の「2次元と3次元を行き来」しながら観察、分析していくチカラが必要になります。

数論の出題頻度は24.1%

もう1つは「数論」です。数論の出題頻度は24.1%でした。
「数論」は、約数・倍数や規則性、場合の数など数に関する話題が中心の分野です。
男子難関校では以前から頻出の単元でしたが、共学校や女子校でも多く出題されました。
数の性質に着目して、そこから見出せる事象の法則をとらえる「数論」は、比較的苦手とする生徒が多く、差がつきやすい分野となります。

2026年度入試に向けて

2026年は、2月1日が日曜日にあたるサンデーチャンス(サンデーショック)の年になります。
併願次第では、例年は想定できないチャンス(リスク)が生まれる可能性があります。

※サンデーチャンス(サンデーショック)
主にミッション系の学校でキリスト教が安息日としている日曜日を避けて受験日を変更する動き。これにより受験者が併願する学校の組み方が変わるので必然的に競争率や難易度が変化する。

また、「2026」に関連する算数の問題も出題されるでしょう。
2026=2×1013となり、ここから派生する問題も考えられます。
1013は素数であり、また、2年後の「2027」や4年後の「2029」も素数となるため、しばらくは素数が受験算数の話題の中心になるかもしれません。

まとめ

今回の分析をもとにして未来の中学受験生のためのよりよい学習方法の提案、汎用性の高いテキスト作り、そしてあらゆるシーンに対応できる教材ラインナップの充実などを具現化してまいります。
さらなるバージョンアップを目指して、また新たに始まる1年。
さらに突き詰めてまいります。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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