“想像”で広がる
見える世界
出題作品
出題校
香蘭女学校中等科、芝浦工業大学附属中学校、昭和学院秀英中学校、日本大学中学校、湘南学園中学校
出題ページ
P50 見える人では持ち得ないような空想が頭の中に作り出されました。
香蘭女学校中等科 出題
あらすじ
“人間と文化”(人文社会学)の研究者である筆者が、「視覚障害者がどんなふうに世界を認識しているのか」をテーマに、“自分と異なる体”を持った存在について論じる論説文です。
ポイント
第1章「空間」からの出題です。
筆者が全盲の木下さんと、東京の大岡山にある大学で会うとき、駅から大学までの道のりについて「山の斜面を歩いている」と木下さんが言ったことに驚きます。
確かに大岡山は”お椀”のような地形で斜面があるのですが、目の見える人には看板や建物など様々な“情報”が目に入るため “山”とは認識していません。
問題は、なぜ木下さんが山と認識しているのかを問うものでした。
目の見えない人が得られる“情報”は、目の見える人が得られる情報より少ない分、その情報を自分なりに解釈し、“想像”を自在に広げることができる、ということをまとめます。
いわゆる“健常者”とは異なる体を持つことは苦労もあると思いますが、感覚や“想像”をしっかり働かせて生活している、そのことを理解することはとても意義があると思います。
執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦