変わらぬ“年齢” 変わる“時代”
出題作品
出題校
立教池袋中学校、神奈川大学附属中学校
出題ページ
P200 「いいねえ。アニメは歳とらなくて」
「いいえ。年々歳々、若くなっているんです」
立教池袋中学校 出題
あらすじ
「サザエさん」など数々のアニメ作品で声優をつとめた故永井一郎氏の“朗読”を通じて見えてくることをつづった随筆です。
ポイント
「技術を超えて」の中で、筆者が「サザエさん」の磯野波平(いそのなみへい)役を40年以上演じたことで気づいたことを述べています。
波平が歳をとらないことを冷やかされたときの会話として、表題のようなやり取りが紹介されています。
この会話についての説明を求める問題が出題されました。
「いいねえ。―」の部分については、アニメのキャラクターに設定されている“年齢”が変わらないので、担当する役者はいつまでも同じ気持ちで演じることができる、ということ。
そして、「いいえ。―」の部分は、設定した年齢は変わらないが、同じ年齢でも40年も演じていると、大正生まれだった波平が、現在では昭和(戦後)生まれという設定になり、“時代”が変わることで人間性も若くなるため、演じることが大変である、ということを説明します。
これからの“時代”を動かしていくのは、もちろんみなさんですが、“長年の積み重ね”から学ぶことも大切だと思います。
執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦