“利他”は相手を支配しない
出題作品
出題校
立教新座中学校、淑徳与野中学校、横浜雙葉中学校、東京農業大学第一高等学校中等部
出題ページ
P52 それらは他者を支配しないための想像力を用意してくれているようにも思います。
横浜雙葉中学校、東京農業大学第一高等学校中等部 出題
あらすじ
新型コロナウィルスが感染拡大する中、今後重要視されるであろう、他者のために生きる“利他”という考え方について、5人の執筆者の意見をまとめた著書です。
ポイント
伊藤亜紗氏の“「うつわ」的利他 ―ケアの現場から―”の出題です。
利他的な精神や行動について、さまざまな研究から見えてきたそのかたちについて論述しています。
利他的な行動は、相手に何かをして“あげる”ことが、相手の利になるだろうと思い込んでしまい、見返りを期待したり、相手を“支配”してしまいがちであると述べています。
問題は、何が「他者を支配しないための想像力」なのかを問うものです。
他人に利することが自分のためになることではなく、本当に相手のためになるのかをじっくり考えたり、“利己的”な考えがなくなり、利他で相手を支配しない、という内容を選択します。
2022年の中学入試では、“利他”、“他者”といった、相手の立場に立って考えることの大切さを述べた説明・論説文が数多く出題されました。
今後の中学入試においても最重要テーマとなるでしょう。
執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦