島を守っていた“神”の実態
出題作品
出題校
武蔵中学校、 桜蔭中学校、明治大学付属中野八王子中学校
出題ページ
P109 わらいながら、そうつぶやいた伍長(ごちょう)はもう、神さまじゃなかった。
武蔵中学校 出題
あらすじ
太平洋戦争末期における沖永良部(おきのえらぶ)島の人々が戦争という過酷な状況下で強く生きていく姿を描いた物語です。
ポイント
出題は、主人公が島に不時着した特攻兵 (戦死を前提とした攻撃兵)の西島伍長から、戦争の実態を知らされ、今まで“神”だとあがめていた兵隊への印象が変わったという場面です。
それまで沖永良部島の人たちにとって特攻兵は、自らの命を犠牲にして島を守る “神”のような存在でした。
しかし、主人公の男の子マチジョーは、西島伍長の特攻は決して自身が望んだものではなかったこと、そして伍長自身が生きのびたことに安どの気持ちを見せたことを知りました。
特攻兵は島の人たちと同じ“人間”だということがわかり、マチジョーは表題のことを感じたのです。
武蔵中学校の出題の記述では、ここまでしっかりまとめる力が必要です。
戦争そのものが過去になっていくなか、 遠い先人へ思いをはせて、勉強できる喜びをかみしめたいものです。
執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦