思い溢れる“難関校受験”
出題作品
金の角持つ子どもたち (集英社文庫(日本))
書名:金の角持つ子どもたち
著者:藤岡 陽子
刊行日:2021/5/20
出題校
広尾学園中学校、法政大学第二中学校、日本大学藤沢中学校
出題ページ
P169 涙がまた溢れてきた。
広尾学園中学校 出題
あらすじ
挑戦することで自分を変えたいという一心で日本最難関の私立中学の受験に臨む小学生と、家族を描いた物語です。
ポイント
「自分史上最高の夏」からの出題です。
6年生になってから休むことなく受験勉強をこなしてきた戸田俊介は、勉強合宿後、その疲れから初めて弱音をはき、Pアカデミー(塾)の授業に遅れてしまいます。
その際、担任の加地先生と別の場所で東栄大学附属駒込中(日本最難関)を 受験する理由や俊介自身の昔の出来事を話しているうちに俊介が泣き出します。
表題はなぜ涙が溢れてきたのかを記述する問題で、先生が俊介の東駒合格の可能性を信じてくれたこと、俊介が今まで抱え込んでいた妹の病気に対する感情を受け入れた上で「しんどい人生だな」と肯定してくれて、ほっとしたということを記述します。
「中学受験」がテーマの物語文は、実際に中学入試の問題として扱われることがありますが、「中学受験」ができることは当たり前ではない、ありがたいことだと思って入試に臨んでほしいです。
執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦