中学受験をして、中高一貫校をめざす3つのメリットについて紹介します。
中高一貫校の最も大きなメリットは、その名のとおり6年間一貫した教育を受けられるという点です。
中学校と高校で途切れずに学び続けられるので、効率よく学習を進めることができます。
つながりをもって学習できる状況は、知識を深く理解するという意味でとても有効なのです。
公立の学校の場合であれば、中学2年生で2次関数を学びます。
この2次関数は数学の原点につながっている重要なものですが、入試を経て高校入学をめざす過程でその知識が離れていってしまうのです。
この学習の分断を発生させないことが、中高一貫校の最大の利点と言えます。
また、一貫した学習によって高校2年生の時点で大学受験に向けた学習が終了してしまうのもメリットの一つです。
高校3年生の大事な時期をすべて受験の準備につぎ込める状況は、とても有利であると言えるでしょう。
2つ目のメリットは、高校受験を回避できるという点です。
高校受験に時間を奪われず、じっくりと将来を考えたうえで大学受験にチャレンジできるようになります。
高校を受験した場合は、せっかく合格しても3年後にはまた受験です。
子どもたちは受験の繰り返しに疲れてしまい、自分が将来的にどのような学部で何を学んでいきたいかという本質的なことを考えられなくなってします。
だからこそ、高校受験の回避のは大きなメリットであるのです。
また、高校受験は「内申点重視」と「9割受験」という2つの問題点を抱えています。
内申点はご存じのとおり、中学校での活動内容によって決まります。しかも、9科目すべてを含めて判断されるので、音楽も保健体育も含めて良い成績を残す必要があるのです。
9割受験は、上位の高校に入学するためには入試で9割以上の成績を残さなければ合格できない状況を言います。
つまり、得意科目を伸ばすのではなく、苦手科目をなくしていく方針が大切になるのです。
子どもたちには、できれば得意な科目で勝負してほしいと思っています。
中学受験であれば内申点は関係ありませんし、6割から7割程度が合格ラインになりますので、得意科目が大きな武器となるでしょう。
最後に紹介するメリットは、家庭の方針に合わせた学習環境を選べるという点です。
私立の中高一貫校は、それぞれ特色のある教育方針をもっています。
学習内容だけでなく、先生方や学校の設備、スポーツなど学校生活すべてにおいて明確なビジョンをもって学校を運営しているのです。
公立にはないそのような環境は、中高一貫校のメリットの一つとなっています。
また、環境という観点では、6年間の友人との交友や部活動などを通して、深い人間関係を形成できる点もメリットにあげられます。
非常に情操豊かな時期に体験する人との付き合いは、人格を成長させる大きな糧となるでしょう。
続いて説明させていただくのは中学受験の特殊性です。
中学受験にチャレンジする際は、このことをしっかりと理解しておく必要があります。
まずお伝えしたいのは、中学受験には体力勝負の一面があるという点です。
例年1月からスタートする中学受験ですが、多くの学校では2次試験や3次試験があり、多い場合は5次試験まである学校もあります。
また、午後入試と呼ばれる試験も存在します。
午前中に試験を受けたあとに移動し、午後から別の試験を受験するといった状況もあり得るのです。
このように受験スケジュールには過酷な一面があるため、ベストなコンディションで試験にのぞむためにはある程度の体力が必要であると理解しておきましょう。
中学受験のもう一つの特殊性は、内申点の重要度が低いという点です。
高校受験では内申点に重きが置かれますが、中学受験ではほとんど重視されず、基本的に試験の得点のみで合否が決定する形になっています。
昨今ではコロナ禍の影響で面接が中止されている学校も増えており、どれだけ入試で得点できるかが大きなウエイトを占めるようになっていると言えるでしょう。
内申点よりも試験得点が重要になるのが、中学受験なのです。