中学入試 国語 出題作品紹介 答えは風のなか 重松清

決めつけられない”しあわせ”

出題作品

答えは風のなか

答えは風のなか
書名:答えは風のなか
著者:重松 清
刊行日:2021/12/11

出題校

神奈川学園中学校、日本大学豊山女子中学校

出題ページ

P122 しあわせとふしあわせは、どっちかに決めてしまえるものじゃないのかもしれない。
日本大学豊山女子中学校 出題

あらすじ

答えの出ないことや過去にあった一体何だったのか?という”もやもや”について描かれた10編の物語集です。

ポイント

今回は「しあわせ」からの出題で、小学生の翔太と父の圭一が小さな動物園で “しあわせ“について語り合う話です。
認知症になった祖母に会いに行った翔太は、その帰りに寄った動物園で父に「みんなのことをどんどん忘れていく祖母は今しあわせなのか?」と問います。圭一は、アフリカ原産の動物が今動物園で大切に飼育されていることを例に、家族でなくても大切にしてくれる人がいることはしあわせであると翔太に言います。表題は動物と祖母を重ねた 翔太が感じたことで、それがどういうことかを答える問題で、一つの側面だけで判断できるものではなく、簡単に線引きして決めるものではないということに気づいた、ということを答えます。

人の”しあわせ”とは人それぞれであり、決して他人が決めつけることではありません。決めつけることなく相手を思いやれることこそが本当のしあわせなのかもしれません。

執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦
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