“句”で結ぶ 歌の思い
出題作品
南風(みなみ)吹く (光文社文庫)
書名:南風(みなみ)吹く
著者:森谷 明子
刊行日:2020/7/8
出題校
大妻中学校、品川女子学院中等部
出題ページ
P63 すごい。
大妻中学校 出題
あらすじ
瀬戸内海に浮かぶ五木島を舞台に、松山(愛媛)で行われる俳句の全国大会(俳句甲子園)を目指す5人の高校生が奮闘する物語です。
ポイント
今回は「赤信号みんなで渡ればこわくない」で、バスケ部を引退した高校三年生の小市航太が、同級生の河野日向子が俳句甲子園に出場すべく部員を集めていることを知り、その手伝いをします。
そんな中、短歌を詠む女子の来島京を誘いますが、「俳句では自分の思いを表現できない」と断られます。しかし日向子は京の短歌を俳句にアレンジし、“俳句“でも同じ思いを表現できることを証明しようとします。
表題は、日向子が京の短歌を俳句にアレンジした際、季語の有無について問われた日向子の切り返しを目のあたりにした航太が思わず口にした言葉で、何がすごいのかを答えます。「日記買ふ」という、たったの五音で一年を振り返る感慨だけでなく、新しい年への期待までも表現したことに感激した、ということを答えます。
“俳句”という十七文字の一文字ひとつにも季節、場所、時間、そして“人の思い”などを表すことができる非常に味わい深い世界、受験生のみなさんも受験後にぜひ体験してほしいです。
執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦