中学入試 国語 出題作品紹介雲を紡ぐ 伊吹有喜

周りに流されない “自分の色”

出題作品

雲を紡ぐ (文春文庫)
書名:雲を紡ぐ
著者:伊吹 有喜
刊行日:2020/1/23

出題校

本郷中学校、横浜雙葉中学校、かえつ有明中学

出題ページ

P71 「まずは「自分の色」をひとつ選んでみろ。~せがなくても(急がなくても)いい、とおだやかな声がした。
本郷中学校 出題

あらすじ

人の視線を恐れて不登校になった高校2年生の山崎美緒(みお)が、家出して祖父の毛織物工房を訪ねます。
そこでの美緒の経験や成長、そして彼女の家族の視点からも描かれた物語です。

ポイント

「六月 光と風の布」からの出題です。

美緒が幼い頃から大切にしていたショール(肩にかける布)を親に捨てられたと思い、衝動的に盛岡の祖父紘治郎(こうじろう)の工房を訪れます。

そこは紘治郎が経営するショールの製作元で、紘治郎が事情を察し、しばらくの間美緒を預かることにします。

表題は工房の色とりどりの布に目を奪われた美緒に、紘治郎がショール作りを提案した言葉です。

このときの紘治郎の思いを記述する問題が出題されました。

美緒自身が何を求め、どのように生きていくのかを、周囲に流されずじっくりと考えて、“自分の色”を決めてほしい、という紘治郎の思いをまとめます。

これからの人生、たくさんの“選択”が待っていますが、じっくりと“自分の色”を選んでいってください。

執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦
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