“いい人”への“悪意”と“危険性”
出題作品
出題校
神奈川学園中学校、湘南学園中学校
出題ページ
P127 その危険性
湘南学園中学校 出題
あらすじ
クラスで突然“いい人ランキング”で表彰された中学2年生の木佐貫桃(きさぬきもも)への“悪意”と、それに向き合う桃の姿を描いた物語です。
ポイント
「作戦」からの出題です。
“いい人”の名目のもと、桃は様々な雑用を押しつけられるなどの“いじめ”を受けるようになりました。
桃の妹の鞠(まり)は、“いい人”にひそむ“危険性”を察知し、鞠が師匠と呼ぶ2年生の尾島圭機(おじまけいき)に助けを求めます。
そして圭機は桃が“危険性”をわかっていないと突っぱねます。
問題は、表題の“その危険性”を説明するものでした。
“いい人に選ばれること”は、選ばれた本人も否定しづらいこと、相手の心の底で嫉妬(しっと)を生み、“いい人”と称することで体(てい)の良い“いじめ”の材料として“悪意”をぶつけることができる、ということを読み取ります。
“いじめ”がテーマの入試問題は多くはないですが、相手を許容することや、“いじめ”とどう向き合っていくかなど、一度しっかり考えたり話し合っても良いテーマだと思います。
執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦