中学入試 国語 出題作品紹介 朗読のススメ 永井一郎

変わらぬ“年齢” 変わる“時代”

出題作品

朗読のススメ (新潮文庫)
書名:朗読のススメ
著者:永井 一郎
刊行日:2009/5/28

出題校

立教池袋中学校、神奈川大学附属中学校

出題ページ

P200 「いいねえ。アニメは歳とらなくて」
 「いいえ。年々歳々、若くなっているんです」

立教池袋中学校 出題

あらすじ

「サザエさん」など数々のアニメ作品で声優をつとめた故永井一郎氏の“朗読”を通じて見えてくることをつづった随筆です。

ポイント

「技術を超えて」の中で、筆者が「サザエさん」の磯野波平(いそのなみへい)役を40年以上演じたことで気づいたことを述べています。

波平が歳をとらないことを冷やかされたときの会話として、表題のようなやり取りが紹介されています。

この会話についての説明を求める問題が出題されました。

「いいねえ。―」の部分については、アニメのキャラクターに設定されている“年齢”が変わらないので、担当する役者はいつまでも同じ気持ちで演じることができる、ということ

そして、「いいえ。―」の部分は、設定した年齢は変わらないが、同じ年齢でも40年も演じていると、大正生まれだった波平が、現在では昭和(戦後)生まれという設定になり、“時代”が変わることで人間性も若くなるため、演じることが大変である、ということを説明します。

これからの“時代”を動かしていくのは、もちろんみなさんですが、“長年の積み重ね”から学ぶことも大切だと思います。

執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦
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