中学入試 国語 出題作品紹介 明日の僕に風が吹く 乾ルカ

自分を取り戻す“未来”への一歩

出題作品

明日の僕に風が吹く (角川文庫)
書名:明日の僕に風が吹く
著者:乾 ルカ
刊行日:2019/9/30

出題校

早稲田中学校、佼成学園中学校

出題ページ

P303 未来の自分を想像してみないか。
早稲田中学校 出題

あらすじ

東京の中学校での失敗から不登校になった川嶋有人(ゆうと)が、叔父のすすめで北海道の離島の高校へ入学し、自分自身を見つめ直していく物語です。

ポイント

個性豊かな級友や島民たちとの生活の中が、次第に高校一年生の有人を変えていきます。

あるとき、島に訪れた観光客がアレルギー発作で倒れ、一刻を争う状況に直面します。

有人には中学生のときに、アレルギーで倒れた生徒に何もできず、自分自身に失望して不登校になってしまった過去がありました。
有人のなかで、このときの様々な想いがめぐります。

表題は、この状況下で思い出した亡き叔父の言葉です。
“未来”という言葉に、叔父のどんな思いが込められているかを記述させる問題でした。

目の前のことに向き合って最善を尽くせば、後悔なく自分の進むべき道(=未来)が開けてくるんだということを伝えたかった、という内容をまとめます。

人間誰でも“挫折”を経験するものですが、その挫折をどう向き合っていくか、そしてそこで最善を尽くすことが明るい“未来”への道すじなのだと思います。

執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦
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