中学入試 国語 出題作品紹介 国語をめぐる冒険 渡部泰明 他

自分だけの“かわいい”感じ方

出題作品

国語をめぐる冒険 (岩波ジュニア新書 938)
書名:国語をめぐる冒険(岩波ジュニア新書)
著者:渡辺 泰明、平野 多恵、出口 智之、田中 洋美、仲島 ひとみ
刊行日:2021/8/24

出題校

学習院中等科、サレジオ学院中学校、東京女学館中学校

出題ページ

P75 『枕草子』「うつくしきもの」
学習院中等科 出題

あらすじ

学校の教育科目である“国語”を題材に、そこから他者や人の心、言葉に出会って成長していくことを、“冒険”と称してつづられている説明文です。

ポイント

平野多恵氏の「言葉で心を知る」からの出題です。

古(いにしえ)の人の言葉から、人の心や自分の心を理解するということが論じられています。

近ごろは若者を中心に、何を見ても“かわいい”という言葉が使われています。
筆者は平安時代の随筆(ずいひつ)「枕草子」を例に、自分なりの感じ方を見つけて欲しいと述べます。

問題は「枕草子」の“うつくしきもの”を引用した理由を問うものでした。

枕草子のように、自分が感じた“かわいい”ことを具体的に続々と書きつづっていくことで、抽象的だった“かわいい”が具体的な言葉に結びつきます。
それにより、“自分だけの感じ方”が見えてくるようになり、“自分だけの言葉”として、より正確に伝えられるようになる
、ということをまとめます。

“国語”という科目をテーマにした説明文からの出題は意外と少ないです。
一読の価値があると思います。

執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦
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