しきりをけちらすむかしの“ことば”
出題作品
出題校
香蘭女学校中等科、横浜雙葉中学校、横浜女学院中学校、かえつ有明中学校、桜蔭中学校
出題ページ
P151 -感動しました。
横浜雙葉中学校 出題
あらすじ
日常の中で発せられた“ことば”に焦点をあてた8編の物語集です。
ポイント
「風と雨」からの出題で、小学5年生の女の子たちの内面を、それぞれの視点から描写しています。
仲良し女子グループが分裂したことで、グループから外れてしまった風香(ふうか)は、学校では一言も言葉を発さない瑠雨(るう)と行動を共にするようになります。
瑠雨は風香の祖父「ターちゃん」の趣味である謡曲(ようきょく:能の声楽部分)に興味を持ち、実際にターちゃんの謡曲を聴いて表題の言葉を発しました。
問題は、瑠雨はなぜ感動したのかを問うものでした。
感じたことを口から発することのできない瑠雨は、ターちゃんの謡曲でうたわれる昔の人のむかしの“ことば”の心地よさにすっかり心を奪われたこと。
そして瑠雨と周りをへだてていた“なわ”が謡曲によって取り払われたように感じ、思わず「感動しました。」という言葉になった、ということをまとめます。
本作は2021年の桜蔭をはじめ、2022年も女子校を中心に多く出題されました。
“ことば”からどんなことを感じ取れるか、それらを自分のことばで表現できるかが、解答のポイントになりました。
執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦