中学入試 国語 出題作品紹介 ベスト・エッセイ 日本文藝家協会編

弱点のある”強さ”

出題作品


書名:ベスト・エッセイ2019
著者:日本文藝家協会編
刊行日:2019/7/5

出題校

桐朋中学校、巣鴨中学校、城西川越中学校

出題ページ

2019版 P5 ひっくり返すことのできない体
巣鴨中学校 出題

あらすじ

各界で活躍する作家や研究者、芸能人などのエッセイ(随筆)を編集したもので、毎年発刊されています。

ポイント

2019年版より、リベラルアーツ(自由人として生きるための学問)の研究者伊藤亜紗(いとうあさ)氏の「トカゲとキツツキ」からの出題です。

伊藤氏のご子息が発した「キツツキはひっくり返してもキツツキのまま」という言葉から、“ひっくり返す”という言葉のもつ論理を述べたものです。

“トカゲ”は逆から読むと“ひっくり返って”しまうので弱く、“キツツキ”は逆から読んでもひっくり返らないから弱点がないということになる、という論理を述べています。

問題は、その“ひっくり返す”という言葉が何をたとえているのかを問うものでした。

“無意識”という自分で制御できないものが“ひっくり返る”ことであり、それがないことは弱点がないということにもなる、ということをまとめます。

しかし伊藤氏は、逆に弱点があることこそ生きることが楽になるという点で、むしろ救いになるのではないかと結んでいます。

毎年のように中学入試で出題される『ベスト・エッセイ』シリーズは、たくさんのエッセイが読める良書です。

執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦
速聴読をする女の子小学生が自主的に多読できる読書プログラム
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