絶望のなかの“光”
出題作品
出題校
星野学園中学校、立教新座中学校、光塩女子学院中等科、田園調布学園中等部
出題ページ
P366 驚きが体じゅうを駆け巡る。
田園調布学園中等部 出題
あらすじ
明治から昭和の時代にかけて実在したイギリス人芸家バーナード・リーチをモデルに、日本とイギリスの芸術交流と、そこに関わった人物たちの情熱を描いた物語です。
ポイント
「太陽と月のはざまで」からの出題で、リーチの助手沖亀乃介(おきかめのすけ)が、陶磁器を焼く窯の番をする場面です。
寝ずに窯の番をしていた亀之介は疲れのあまり眠ってしまい、その間に窯から火が出て工房が全焼してしまいます。
自分を責め続けた亀之介は、リーチの助手をやめる決心をしますが、焼け焦げた窯の中に唯一残った白磁の壺を見つけます。
問題は、その驚いた理由を記述させるものでした。
ちょっとした油断から取り返しのつかない失敗をしてしまい、“絶望”のなかにいた亀乃介が、焼け跡の中にまぶしく輝く白磁に”光”を感じた、ということをまとめます。
2018年以降毎年のように中学入試での出題がある本作は、600ページ近い長編ですが、小学生の読書に十分可能な良作です。
執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦