先入観の押しつけに “そう思わない”
出題作品
出題校
暁星中学校、公文国際学園中等部、東京農業大学第一高等学校中等部、吉祥女子中学校
出題ページ
P21 「僕はそうは思わない。」
公文国際学園中等部 出題
あらすじ
難しい現実を突きつけられた小学生や若者たちが自らの考えや行動で困難を切り抜けていく5つのエピソードが描かれた物語です。
ポイント
小学6年生の主人公、加賀と転校生の安斎(あんざい)が知恵をめぐらせ奮闘する「逆ソクラテス」というエピソードからの出題です。
同級生の草壁(くさかべ)を落ちこぼれと決めつけた担任の先生の“先入観”をぶちこわすために、彼らはある作戦を立てます。
何でも決めつけてかかる人間に対して負けない方法として、安斎が加賀たちに伝授したのは「そうは思わない」と言い返す方法でした。
問題は、そう思わないと言い返す状況を受験生各自が考えて書くというものです。
この場合、「男のくせにすぐ泣くなんて情けない」「女なのに料理もできないの」など、他人の先入観で決めつけられる事柄を挙げて記述します。
逆境に負けない若者たちのたくましい姿が描かれた本作は、“先入観”に対して疑うこと、そして自分自身や仲間と一緒に考えることの大切さが入試問題として支持されていると思います。
執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦