“友だち”を”友だち”に認めてほしい
出題作品
出題校
早稲田中学校、鴎友学園女子中学校、富士見中学校、慶應義塾湘南藤沢中等部、穎明館中学校
出題ページ
P87 博士はバケツを持って走り始めた。
穎明館中学校 出題
あらすじ
1970年代初頭の自然が残る新興住宅地で育った大窪博士 (おおくぼひろし・ハカセ)とその家族や仲間、博士をとりまく大人たちを描いた物語です。
ポイント
出題は、「サンペイ君、夢を語る」から、博士のクラスメイトの中田利也(としや・サンペイ)が小学校の裏にある瓢簞池(ひょうたんいけ)で“ヌシ“と呼ばれる大きなゲンゴロウブナを釣るという話です。
日ごろから大きなことを言うため“ほら吹き”と呼ばれ、クラスメイトから仲間外れにされていたサンペイ君を博士はみんなに何とか信じてもらいたいと思っています。
そんな中、博士はサンペイ君が本当に“ヌシ”を釣ったということを聞きます。
博士は実際にその目で“ヌシ“を見て、表題の行動に出たのです。
問題は、そのときの博士の気持ちを記述させるもので、クラスの友だちに“ヌシ”を見せて、サンペイ君は“ほら吹き”ではないこと、そしてサンペイ君を“友だち”として受け入れてほしい、という博士のはやる気持ちをまとめます。
2006年以降、さまざまな中学で出題されている本作は、少年たちの小さな冒険や、人との出会いと別れなど、少年の精神的成長が描かれており、今後も入試において大切なテーマとして出題されていくと思います。
執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦