中学入試 国語 出題作品紹介 しずかな日々 椰月美智子

新しい“肉親”と暮らす日々

出題作品


書名:しずかな日々
著者:椰月 美智子
刊行日:2010/6/15

出題校

早稲田中学校、芝中学校、鎌倉学園中学校、湘南白百合学園中学校、筑波大学附属中学校、慶應義塾湘南藤沢中等部、帝京大学中学校

出題ページ

P153 ぼくは、煙草の匂いを嗅ぎながら、新しい肉親がこうして隣にいてくれることを、とても頼もしく感じていた。
鎌倉学園中学校 出題

あらすじ

家庭の事情で祖父の家に住むことになった小学5年生の枝田光輝(えだみつき)と、光輝の祖父や友だちと過ごした“夏休み”を描いた物語です。

ポイント

出題は、仕事の都合で光輝と離れて住んでいた母が、光輝の誕生日を祝いに祖父の家に来た場面です。

母は祖父と折り合いが悪く、また光輝自身も母との微妙な距離を感じている様子が描かれています。
母が来てくれたことはうれしいが、仕事の関係からか、以前と雰囲気が変わってしまったことにとまどいがありました。
一方で口数は少ないがやさしく見守ってくれている祖父に信頼感をもち、光輝は表題のことを感じたのです。

母と離れるさみしさもあるが、それ以上に祖父という新しい“肉親”と暮らしていくことが光輝の心を満たしていく、ということを考えて解答していきます。

2008年からさまざまな学校で出題されている本作は、小学5年生の夏休みが静かに、そして少年の心にしっかり印象を残して過ぎていく、その余韻が中学入試でも多くの出題と大いに関係があるように思います。

執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦
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