お互いが 支え合う“一〇五度”
出題作品
出題校
城北中学校、成城中学校、横浜共立学園中学校
出題ページ
P138 ぼくはうなずくと、財布とスマホをつかんで走り出した。
横浜共立学園中学校 出題
あらすじ
“イス”の魅力にとりつかれた中学3年生の男子 大木戸(おおきど)真(しん)と、イスの製作会社の跡取り娘 早川梨々(りり)が2人で協力して「全国学生デザインチェアコンテスト」に挑戦するという物語です。
ポイント
コンテストの準備を進めているうちに、ちょっとした一言で2人は言い争いになってしまい、梨々が怒って帰ってしまいます。
このよくない雰囲気を感じとった元イス職人である真の祖父が、真を味わい深い言葉でたしなめます。
イスの理想的な傾斜角度である”105度”は、人と人とがお互いによりかかれる角度でもある、と祖父は言います。
梨々に一方的に“よりかかっている”ことに気づいた真は、表題の行動に出ます。
出題は、真が梨々に会ってどのようなことを伝えるのかをまとめさせるもので、改めて2人が協力して目標に向かっていけるようなセリフを考えて記述します。
国語の入試問題のテーマとしてよく扱われる“困難の克服”は、その過程で描写される登場人物の言動や感情をしっかりとらえ、“協力して”困難に立ち向かう姿を読み取ることがポイントになります。
執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦