こんにちは。横浜校チューターの 中村 です。
読書の秋ということで、今回は横浜校のチューターの皆さんに、おすすめの本を伺っていきたいと思います。
ではまず大村さん、お願いいたします。
横浜校チューターの大村です。大学では教育学部で心理学を勉強しています。そんな私が今回おすすめする本は、辻村深月さんの「子どもたちは夜と遊ぶ」です。
中村
この本はどのような本ですか?
私は辻村さんの小説が好きなのですが、辻村さん自身教育学部出身で、この小説のヒロインも教員を目指して教育学部に通っています。
また、教育学部や心理学部で勉強するような事項がテーマになっていたりします。この小説を初めて読んだとき、私は高校生だったのですが、小説の中で描かれる研究室や教授とのやりとりがリアルで楽しそうで、大学生活に憧れを抱きました。
小説としては一応ミステリーなので、その大学を舞台に人が死にますが笑。私はミステリーが苦手なのですが、この小説では登場人物1人1人の心情が丁寧に、生々しく描かれているため心に響くし、個人的には読みやすいと思います。
むしろ、最後に全ての伏線が、意外な形で回収されていくのには爽快感と一種の感動を覚えます。
ネタバレになるため、抽象的にではありますが…物語としては悲しい話ですが、読了後は不思議と「がんばろう」という気持ちが沸いてきます笑
中村
そうなんですね。高校生にとって、大学進学へのモチベーションが湧いてくるのはいいですね。ありがとうございます。
大村
中村さんのおすすめの本は何かありますか?
私がおすすめする本は、猪瀬直樹さんの「昭和16年夏の敗戦」です。
昭和16年に、各省庁の若手エリート官僚を集めてできた「総力戦研究所」というものがあります。そこでは、日米が開戦したときの勝算をシミュレーションするのですが、最初は奇襲攻撃等の緒戦の勝利が見込まれるものの、戦争が長期化すると、物資が乏しい日本は勝算がないため、米国相手の戦争は避けなければならない、と結論づけたのです。実際は史実の通り開戦を行うのですが、この本から私は、意思決定の重要性を学びました。
不都合な事実に目を背ける、過去の成功体験にとらわれる、希望的観測に依拠して物事を判断する、責任なる立場の者が責任を果たさず、意思決定をしない、など、現在にも通じる問題を提起しているという点で、一読の価値があろうと思います。それだけでなく、著者が史実を丹念に調べ、日本が戦争へと突き進む一連の過程を知ることもできるため、毎年夏休みになると読みたくなる本でもあります。
大村
ありがとうございます。意思決定の重要性は何の職業についても重要なことですね。また、歴史の学習や夏休みの読書感想文なども書きやすそうな本だなと思いながら話を伺っていました。
中村
そうですね。ありがとうございます。
中村
今回は横浜校チューター2名のおすすめの本をご紹介いたしました。読書の秋、皆さんも是非本屋さんや図書館、学校の図書室などに足を運んで、いろいろな本に親しんでみてはいかがでしょうか?