問題概要
今年度の問題は大問3つの構成となり、これまで通り、科目横断型の出題傾向となった。
文量的には、昨年度とそれほど変化はないが、英単語集が付き、英語の文量と内容としては難易度がやや上がったとみえる。
問題傾向分析
今回は文系科目の問題に着目して、出題傾向と対策を分析していきたい。
まず大問1では、丸善株式会社の出典している文献からの出題で、「フールプルーフ」、「フェイルセーフ」、「トレードオフ」といった専門用語を正しく解釈出来ているかを問う問題。
日本語と英語の文章が出され、正しいことを述べているのはどれかという内容で、特に英文では選択肢の文量が長く、速読力が問われる。
大問2では、公民分野の問題で、立憲主義について問う内容。立憲主義について、宗教や憲法、多数決などといった様々な切り口から解釈を問う問題。
選択肢は正しいものをすべて選びなさいという問題だが、選択肢は比較的選びやすいので、得点源となると思われる。
ただ、最後の問で、5字と20~30字での自由記述の問題で、文章を包括的に理解できていないと、解答は難しいと思われる。
大問3では、植物に関する文章からの出典で、植物の成長戦略というテーマで、3種類の植物の生き方について論じられている設問は3問あるが、どの問題も文章の解釈問題で、計算などは一切ない。
特に正誤が分かれると予想されるのが、問題文を英語で要約した文章の空所に、適する英文を完成させるというもの。
4語以上10語以内の英作文が2題出題されているうちの一つを見てみよう。
The author says that the most important thing to continue to live is not only to fight against something but also to (1) .
この問題では、(1)の直前にtoがあることに注目して、この文中に同様の文法でto fightの表現があること、さらにnot only ~ but alsoの熟語があることから、(1)にはfight~が入ることが予想される。
そこから文章から「戦うこと」について述べている箇所を探し、英作文を完成させる。fightの後に入るのは何か、ぜひ考えてほしい。
以上、全体的に理系の問題が少なく、高度な論理的思考力と、英語の速読力および文法力を問う問題が多かった。
日頃の学習から、国語の問題だけでなく、ニュースや新聞などの様々な媒体にアンテナを張っておく必要がある。
また英語でも、単語集がついてるとはいえ、語彙力と文章量が問われているので、英検準2級レベルの学習は必要となる。
分析担当:北原先生