なぜ宇宙は無重力なの?(YOUさん)

宇宙飛行士

重力というのは、かんたんに言ってしまえば重さ(正しくは質量といいます)を持つもの同士がおたがいに引き合うはたらきのことです。

地球の重さは約6000000000兆トンとたいへん重いため(6の後にゼロが21個もつきます)、地上ではすべてものが地球の中心にむかって引きつけれます。このきまりを最初に発見したのは17世紀のアイザック・ニュートンですが、この力がすべてのものにはたらくことから「万有引力」と名付けました。ただし、木からリンゴが落ちるのを見て思いついた、というお話はどうやら本当ではないようです。

さて、宇宙船の中で、人やものがふわふわと浮いている映像を見かけますが、このとき宇宙船の中が無重力ということではありません。地球のまわりを回る宇宙船は、地球からの重力で引き引きつけられる一方で「遠心力」という別な力がはたらいています。そして、この遠心力がないと、宇宙船は地球の重力に引かれて地球に落下してしまうのです。ひもでつるしたバケツに水をいれ、そのバケツをふり回すようすを想像してみましょう。十分に勢いよく回せば、バケツの中の水がこぼれることはありません。このとき、バケツの水には重力のほかに、バケツの底に押おしつけられる力「遠心力」がはたらいているためです。宇宙船の中では、地球に引かれる重力と地球から遠ざかろうとする遠心力がちょうどつり合っているため、無重力のようにみえるわけです。

では、どこかに本当に無重力の場所はあるのでしょうか?
地球から遠くはなれると、地球からの重力はどんどん小さくなりますが、一方で、月や火星などといった別の星に近づくことになります。 すると、今度はそれらの星の重力を受けることになります。

むずかしい話ですが、重力の正体は、重さがつくりだす「空間のゆがみ」と考えられています。ですから、宇宙でまわりにほとんどものがないところにあれば、無重力に近いといえそうです。

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