神奈川県立高校入試で学ぶ!社会「日本と大陸とのつながり」前編

夕焼けと船

「日本と大陸とのつながり」というテーマ史が出題された

神奈川県の公立高校入試、2017年2月実施の問題から、今回は社会を取り上げます。

歴史分野からは、「日本と大陸とのつながり」というテーマ史の出題でした。

どんな勉強をやっておくと、この問題がすらすらできるようになるのか。
出題内容をふりかえり、おさえておきたい学習ポイントを確認しましょう。

1. 出題内容

A.日本と東アジアの略地図

まず、問題の最初には日本列島と東アジアの地図が載っています。
この地図、普通の地図ではありません。

日本列島が上下がさかさまになっているのです。
大陸が中心に描かれて、日本はその周辺に描かれています。

B.「白村江の戦い」から「日清修好通商条規」まで
日本と大陸とのつながりを示す6つのできごとを記した表が出てきます。
6つのできごとが、起きた順に書かれています。

①白村江の戦い(663年)
②唐の滅亡(907年)
③元寇(1274年・81年)
④日明貿易(1401年~1549年)
⑤豊臣秀吉の朝鮮出兵(1592年・1597年)
⑥日清修好通商条約(1871年)

①と⑥のできごとには、1000年以上も、ひらきがあります。
この2つの資料を使い、Bのできごとと関係の深い場所をAの地図から探すという問題が出題されています。

内容は政治に限らず、技術、交易、宗教、芸術など多方面にわたります。

一例を挙げます。
最初の設問、鉄砲伝来の時の史料です。

「・・・・・・片方の目をつむり、その一つの穴より火を放つと、当たらぬというものはない。」

Bの年表から「戦国時代」を指している記号を選びます。
Aの地図からは、鉄砲が最初に伝わった鹿児島県の種子島を選べばよいわけです。

この設問と同じように、大陸と関係する次の人物や事がらについての設問が出題されました。

①防人(さきもり) 北九州の防備に当たった兵士
②空海 唐に渡り、日本で真言宗を開いた僧
③雪舟 中国に渡って水墨画を学んだ僧
④元寇(げんこう) 元のフビライ軍が日本に攻めてきたできごと
⑤勘合貿易 室町時代の中国と日本の貿易
⑥間宮林蔵 江戸時代、サハリンを調査した探険家

こういった問題を攻略するには、どんなアプローチがあるでしょうか。

2. ストーリーにして、歴史を覚えよう

まず、考えるのは歴史上の人物・ことがらが、何時代のものかを徹底的に覚えていけばよいはずですね。

でも、これ、言うのは簡単ですが、実際には大変な努力が必要ですよね。

最終的にはこの状態を目指す必要があります。
けれども、単純にひとつひとつを暗記していくと整理がつかず、右から左に忘れてしまいますよね。

これでは困りますね。

細かな暗記をする前に必要なことがあります。

大きな日本史の流れと、時代の変わる転換点を理解しておくことです。
あるできごとが起こったのは、なぜか。
その結果どうなったか。

このように、原因と結果をおさえて歴史を理解すること、ストーリーとして、日本の歴史をイメージできること、語れること。
そこが入試に向けての実力養成に大きく関わっていきます。

原因と結果をペアにして、ストーリーとして日本史を勉強しておくと、暗記のときに整理がつきやすいばかりではなく、記述問題の対策にもなるのです。
入試で記述がしっかり書ければ、ぐっと差がつきます。

ところで、今回の出題「日本と大陸の関係史」のできごとは、日本史の大転換を生み出すきっかけになっているのを知っていますか。
次回からは、日本の歴史上、外国との関わりで大転換を生んだ4つの大事件を見ながら、日本の歴史を整理しましょう。

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