ほくろは漢字で「黒子」とかきますが、 その黒い色の原因はメラニン色素というものです。
日やけをすると、はだが黒くなりますが、じつはこれもメラニン色素が作り出されたためです。 日やけで黒くなるのには、日光にふくまれる有害な紫外線をふせぐという 大切な役目があります。
(黒い色には光を吸収する性質がありましたね) ですから、赤道あたりに住む人のはだが黒いのは、紫外線をふせぐ性質が強まりながら親から子へと伝えられてきたためです。
ほくろの場合は、皮ふの深いところにある母斑細胞というところで、 メラニン色素が作り出されることでできます。生きものの体は、すべて遺伝子という設計図がもとになって作りあげられますが、 その遺伝子がうまくはたらかなくなり、かってにメラニン色素を作りだしているのがほくろです。
ほくろには、生まれつきのものは少なく、3~5歳ぐらいまでにできるものがほとんです。また、大人になってからは、 紫外線にあたりすぎるとそのしげき(遺伝子に傷がつきます)でできることもあります。 また、なにかの傷がきっかけになってできることもあるようです。
ほくろは、日やけとはちがい、皮ふの深いところでできるので、消えることはありませんが、 そのほとんどは健康にはえいきょうはありません。 ただ、中には悪性のほくろもあり、急に大きくなるようなほくろ(形も丸くない)には注意が必要です。
ほくろは、全身にできますが、顔にできるのがもっとも多く、また、日本人では、平均して 1人あたり10~15個のほくろがあるそうです。 一度、ほくろのある場所を調べておくと、悪性のほくろができてもすぐ発見できますね。