漢文を制すものがセンター試験を制す
国語の分野でなぜか漢文は地味な存在です。
大学入試でも現代国語や古文はふつうに出題されますが、漢文はセンター試験と国文学系の学科入試で見かけるぐらいです。
だから受験生の間でも、「センターのためだけに漢文を勉強するのは時間のムダだ」とか「漢文は捨てて、他で点数をかせげばいいだろう」という考えがあるようです。
でもそれって大きな間違いかもしれません。
漢文を勉強せずにセンター試験で好成績は出せません。
なぜなら漢文は少ない勉強時間で満点が取れる科目だから。
「漢文を制すものがセンター試験を制す」と私は言いたい。
ここでは、センター漢文を勉強するメリットを説明していきます。
2.センター試験の漢文と他科目の配点比較
3.センター試験の時間配分でライバルに差をつけろ!
4.センター漢文は入試期間のモチベーションを左右する
5.2015年センター試験の漢文「ネコのはなし」
6.漢文の勉強になかなかやる気が起きない人へ
7.漢文で満点を取ろう!この設問ならできる!
1.漢文に必要な勉強量はこんなに少なくて、いい!
漢文で暗記が必要なものは、単語で100程度。
句法が10程度です。
他の科目と比べてみてください。
古文は400語程の古語を覚える必要があり、古典文法も少なくとも200以上は押さえておきたいもの。
英語はセンター試験レベルで1500語程度の単語を覚えていないと読み解けません。
難関大学レベルになると4000語以上必要な場合もあります。
日本史の用語は、用語集に解説が載っているものだけで6000語。
言葉だけが掲載されているものを合わせると10000語を越えます。
これらに比べれば漢文の100語という暗記知識のボリュームは圧倒的に少ないことがよくわかるでしょう。
2.センター試験の漢文と他科目の配点比較
漢文のセンター試験の配点は50点です。
これは配点が100点である数学・理科・社会に対して、半分の割合です。
先ほど取り上げた、教科別の必要な暗記量の比較をもう一度確かめてください。
漢文がいかに効率よくセンター試験で得点がゲットできるかが分かります。
例えば、
日本史 10000語 100点
漢文 100語 50点
これは単純に暗記する語彙数を比較した割合ですが、ここから言えるのはセンターで漢文で1語暗記するのと日本史で50個の用語を覚えるのが、配点比でいうと同じだということです。
この事実をしっかり知っておきましょう。
これでもあなたは「漢文なんて勉強するのは無駄だ」と言うでしょうか。
3.センター試験の時間配分でライバルに差をつけろ!
漢文で満点を取れるようにしておけば、余裕が生まれますね。
センター試験の国語で差がつくのは時間の配分の良し悪しなのです。
試験時間は80分。
評論・小説・古文・漢文を均等に20分ずつ取り組んでも良いでしょう。
ですが、センター試験の評論・小説は年によって難易度が上下します。
年によっては、評論と小説それぞれに20分以上必要な難しい文章の場合もあります。
一方、漢文は例年ほぼ同じ難易度と形式で出題されています。
つまり、漢文は時間配分の予測が立てられるわけです。
漢文対策をしっかりと行っておけば、漢文に取り組む時間が短縮できますね。
漢文にかける時間は15分を切るようにしておくのがベストです。
こうしておくと評論と小説に時間を回せるわけです。
点差がひらくのが評論・小説ですから評論と小説に十分な時間をかけましょう。
そうすれば、センター試験の国語はライバルに大きく差をつける得点源に漢文がなるわけです。
4.センター漢文は入試期間のモチベーションを左右する
センター試験の国語は2日間のセンター入試の1日目です。
1日目の出来は2日目の試験にのぞむときのモチベーションにかかわりますね。
センターの1日目に良い結果を出しておけば、2日目の自信につながりますね。
センター1日目というのは、2月以降に始まる2次試験や私大入試までの長い戦いの始まりの初日でもありますね。
長い入試期間の1日目を良い手ごたえで始められるかは、その後の試験場でのモチベーションにも影響するでしょう。
そんなセンター試験の中で、時間配分が一番難しく毎年の平均点の変動が多い科目が、国語なのです。
その国語で良い結果が出るように漢文の対策をしっかりしておくことは、長い受験期間を制すためにも欠かせないことなのです。
漢文は何が何でも対策勉強をしておく必要があるのです。
5.2015年センター試験の漢文「ネコのはなし」
センター試験で漢文を「捨て」たらもったいない、と書きました。
「それはそうだけど、やっぱり面白くないから漢文はやりたくない!」と思う人もまだいるかもしれません。
でもこれ、ウラを返せば、「面白ければやりたい!」ということでもありますね。
でしたらぜひ、センター試験の漢文には触れてみるべきです。
あなたは猫が好きですか。
猫が好きなら、漢文ができるかもしれません!?
2015年のセンター試験の漢文は次のようなストーリーでした。
簡単に訳してお伝えします。
この猫を飼っている家では、たまたま2匹の子猫をもらうことになりました。
最初のうち、子猫は老猫に関心を示しませんでした。
老猫の方は、子猫につきまとってかわいがり、寝るときは抱きかかえ、うぶ毛をなめてやり、食べ物をゆずってやりました。
子猫たちは実母をいつしか忘れて、だんだんと老猫に寄りそうようになり、ついにはお乳を飲むようになりました。
それ以後猫たちは本当の親子のように暮らしたのでした。(以下省略)
ま、「面白い!」とまでは言い切れませんが、動物もののテレビ番組の、ホッとするエピソードみたいなことが漢文でも書かれているということで、取り組みやすいという印象だけは持ってもらえるのではないかと思います。
6.漢文の勉強になかなかやる気が起きない人へ
この文章が書かれたのは西暦1400年代、日本では室町幕府が弱体化し、戦国時代に入ろうという頃です。
そんな昔でも猫に対するまなざしは、現代の猫好きな人とあまり変わらないように思います。
ただただ古めかしく、自分とは関係のない世界のものというように漢文をとらえている人が多い中で、必ずしもそうではないのだということがわかってもらえればうれしいです。
時代や国が違っていても共感できる世界が漢文にもあります。
どうせやるなら、面白いと思ってやってみてほしいです。
7.漢文で満点を取ろう!この設問ならできる!
センター試験の漢文で出題される内容は分かりやすいものが大半です。
だからと言って漢文の勉強をほとんどやらずにセンター試験を受ける人の話を聞きますが、もってのほかと言うしかありません。
漢文は「言葉の意味や句法」など覚えておく必要がありますが、あまり多くありません。
慣れさえすれば、満点も取れる分野です。
実際に2015年の設問を見てどれくらいの難易度なのかを見てみましょう。
問1 「承」の意味として最も適当なものを選べ。
① 授けた
② 認識した
③ 納得した
④ 差し出した
⑤ 受け入れた
正解は⑤
「承知」「承認」と使う漢字ですものね。
これで4点です。
英語や数学や社会の1問2点の倍です!
問2 (ア)「将」と同じ読み方をするものを選べ。
① 当
② 盍
③ 応
④ 且
⑤ 須
「将」の読みは「まさに~んとす」
意味は「今にも~しようとする」ですよね。
④「且」が正解。
同じ読みと意味になります。
これで4点です。
英語や数学や社会の1問2点の倍です!
どうでしたか。
漢文は以外に身近で親近感のわく内容ではなかったですか。
それ以前に得点しやすいと思いませんか。
漢文対策はしっかりとしてからセンターにのぞみましょう。
漢文を制すものがセンターを制すです!